ある方からの依頼で、顔を負傷した飼い猫を預り治療することになりました!

 
この子はシロくん、推定5歳の男の子です

 

 

 

飼い主さんは仕事を通じてお付き合いのある方ですが、障害を抱えながら一人暮らしをしている男性です。

 

子猫の時に飼い主さんの前に現れ、付いて歩いてきたので家に連れて帰ったそうです。

保護された当初から穏やかで甘えん坊な性格で、両親を亡くされ孤独な生活を送っていた飼い主さんを癒してくれていました。

 

しかし、先日いきなり顔の左側を負傷して帰ってきたそうです。

飼い主さんはシロくんを心配し何とかしてあげたいと思っていましたが、動物病院までは遠く、自ら運転はできないため連れて行けませんでした。

ご両親は他界され、近所に頼れる人もおられない状況です。

 

※シロくんはいわゆる「外飼い」でしたが、ご自宅は古い日本家屋で隙間が何カ所もある、集落全体が今でも外飼いの猫が多い、ご本人の障害からくる飼育に対する無理解…等が理由です

 

 

 

普段は飼主さんが通っている作業所に金銭管理を託していることから、作業所の担当者にシロくんの治療費を数万円渡して欲しいと訴えかけたそうです。

 

飼い主さんからと作業所の担当者の方と話し合い、シロくんを病院に連れて行ってあげたいというご本人の意思を尊重し、依頼を受ける形でシロくんの状態を見に行きました。

 

ケンカでやられてしまったのでしょう。

顔の皮膚がズル剥けの痛々しい状態で、しかもその状態で1週間以上過ごしていたそうです・・・

上矢印飼主さんはご近所にキャリーを借りてシロくんを中に入れて待っていました。他人とのコミュニケーションが苦手だけど頑張ったようです
 

 

縫合手術もできないほど皮膚が剥がれていたので、治療は患部を消毒・保護して触らせないようにするしかないと感じました。

 

しかし障害を抱えている飼い主さんが、シロくんの状態を管理するのは困難です。

 

半野良生活で去勢もしていないので猫エイズも予想され、回復には更に時間が掛かることも想定されました。

 

飼い主さんには、完治するまで少なくとも2〜3ヶ月、エイズ陽性であれば半年位は預かることになることを説明、ひとまずの治療代と預りに掛かる費用も支払うということでご本人も作業所の管理者も合意し、病院へ!!

 

結果は予想通り、消毒と抗生剤服用で、週に1回通院しながら皮膚の再生を待つしかないと。

上矢印治療後、麻酔から冷める前のシロくん

 

 

そしてやはりエイズ陽性。

同じような怪我で保護した子たちもやはりエイズ陽性で、完全に治ってエリカラを外すのに2~3か月掛かりました。(外で暮らしてるオス猫たちはやはりエイズ陽性が多いです)

 

シロくんは縫合できなかったし、もっと掛かるでしょう・・・

 

長丁場になりますが、怪我が完治するまで(後日去勢手術も行います)シロくんをお世話し、飼い主さんに無事に帰す!

 

アニサポとしてはこれまでにはなかった新しい試みですが、頑張りたいと思います!!

 

もちろん一番頑張ってもらうのはシロくんなので、家にいる間は他の子達と同様にたっぷり愛情掛けて

シロ君に安心して過ごしてもらえたらと思いますニコニコ

 

 

追記

せっかく何か月も掛けて大怪我から治った子を、また野良猫のような環境に戻すのか・・・

と思われた方もおられるかと思います。

その懸念はもちろん念頭にあり、預かる際に多少の含みは持たせております。

しかしながら、飼い主さんがわが子のように可愛がっておられること、障害を抱えておられ論理的な思考が難しいことを考慮して頂けると幸いです。