小さな親切大きな‥ | 蟹、退治中 (乳がん生活)

蟹、退治中 (乳がん生活)

2012年12月 乳がん告知
13年2月 右乳房切除術(HER2 3+、ER +、Pgr -、リンパ管侵襲あり)
3月から抗がん剤(AC)、ハーセプチン、ホルモン療法の
術後治療を提示されるも、若き主治医の方針は一転、二転。
主治医を変え、ハーセプチンとフェマーラで治療中に
転移発覚

先週のイースターで、
お菓子作りの他にもうひとつ頼まれていたのが
ゲームの司会。

こう見えて(どう見えて?)楽しいこと大好きだし、
人前で話のできる図々しさと、マイクなしでOKの
体に似合わぬ声を持ち合わせております。



子どもも一緒に楽しめるゲームのひとつが「スプーンリレー」。
私の教会では卵探しと並んで、イースターのゲームの定番です。


本当はスプーンに卵をのせて走るのですが、
座ったままでできるよう、小さな卵形のチョコレートを
隣の人にスプーンで落とさないようにパスして、
何回パスできるかを競います。
テーブル対抗。

教会に来ているのは幼児、お年寄り、目の見えない人と様々です。
みんな同じように楽しめるようにと、
人によってスプーンの大小やお玉を使うなど
ハンデをつけてやっていました。



でもね、自分が体が不自由な経験をして気づいたことがありました。


目の不自由なKさんご夫妻には、今までお玉を渡してました。
だけど、スプーンじゃなくてお玉がいいっていうのは
私の思い込みだったんじゃないだろうか。
そんな気づかいいらないよって
内心思ってたんじゃないだろうか。


それで今年は、好きなのを自分で選んでもらうようにしました。
去年やった時一人のおじいちゃんIさんから、
小さいスプーンじゃやりにくいって苦情が出たせいもあります。

そうしたら、Kさんご夫妻は小さいスプーンを、
Iさんご夫妻はお玉を手に取りました。


ああやっぱり。
K さんはみんなと同じで良かったんだ。
目が見えないからって、私、気を回しすぎちゃってたな、と思いました。



それでみんなでゲームをした結果。


やっぱりKさん夫妻は小さいスプーンでは難しそうでした。
そのテーブルは最下位になってしまったのです。
でも楽しそうにゲームに参加してくれました。



ところが、
Kさんと同じテーブルに座っていたIさんが言い出しました。

このテーブルは
年寄りが二人と目の見えない人が二人いるんだから、
ハンデもらわないと、って。

I さんは怪我で指が数本欠損しているお年寄りで、奥さんは認知症。
それでお玉を使ってのゲーム参加でした。

(だ~か~ら~、ハンデあげてるじゃない)という心の声を
笑顔に隠して、
ああやっぱりKさん大きいスプーンの方が良かった?と
聞こうとすると、当のKさんがきっぱり。

いいのいいの、何か言ってるのはIさんだけだから、と。(苦笑)



Iさんは負けるのが嫌いというよりは、
何にでもひとこと言わずにはいられないタイプなんじゃないかな。
全員に満足してもらうのは難しい~。

でもKさん夫妻に自分達のペースで楽しんでもらえたのは
良かったと思いました。




手伝ってくれる人の気持ちが嬉しいから
大抵のことは断らず、お願いしてきたけど、
助けてもらわないとできないことや
助けてもらった方が楽なこともあれば
それ無くっていいよってこともあります。

人によって、時によっても違うから、
確かめられる時は本人にきくのが一番かな、と思いました。




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桜**がんをかかえているときに
  「後ろ向き」の気持ちになるのは
  普通のことです。
  不安や悲しみ、そして怒りを
  ―病気に対して、医師に対して、
  人生に対して、神に対してさえ―
  こうした「後ろ向き」の感情を
  抑えなくてもいいのです。
  それを表現するための
  「前向き」な方法を見つけましょう。桜**

     「がんをかかえて生きるセラピー」(サンパウロ社)より



後ろ向き‥‥

いっそのこと、もう一回後ろを向いちゃえ!
そうすれば前向きになるかも。

っていうのは冗談としても
私も神様に「何でだよー」って文句言ってた時期があったなあ。
「前向いて行こう!」なんて自分でも言うけど、
そう簡単に前向きになれない時だってあるよ。

でもずっとそのままじゃなかった。
いつの間にか後ろ向きは解消されてた、ありがたいことに。
これからも、きっとそうだ。





ありがとうございます

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