事件簿その126 「広島弁事件」 | 萬収集家「ワタナベ」の珍事件簿

事件簿その126 「広島弁事件」

現在、風疹中の萬収集家「ワタナベ」です。




この事件の報告をもって、しばらく収集の旅に出たいと考えています。




今まで愛読していただいた皆さん、本当にありがとうございます。




収集物が堆くなってきましたら、戻ってまいります。




旅の前に、今回はこんな珍事件。




大学1年の6月頃だっただろうか、私の家で友人と宅飲みをすることになった。




ささくれを触っていると、血が出始めた私。




キッチンに立っていた友人に




「サビオたわん?」




「え、え?!」




「上のサビオたわん?」




「サビオって何?た、たわん??」




私は、上の棚にあるばんそうこうを取ってほしかった。




それで、小さい子だったので手が届かないか尋ねた。




その年の8月、ピーターパン事件 でお馴染みのいとこの兄と家族で飲んだとき、




私はこの話を切りだした。




すると兄も話し始めた。




兄が学生の頃。高速道路を走っているときのこと、




前方を走るトラックの青いビニールシートの補強が甘く、




飛んできそうだった。




「あれ、はやってきたらおといしぃのー。」




と呟く兄。




助手席の友人が「はやるって何??」




「はやるって風で飛ばされることじゃろーが!!!」




「おといしぃって何?」




「恐ろしいよりもっと恐いことじゃろーが!!!」




そんな恐いのクラス分けないわい!!!




その日、食卓を彩る料理の中に、ふかしたじゃがいもがあった。




父がおもむろに口を開く。




「このいもちょっといぐいーのー。」




ん?いぐい!??




私はこのとき初めて聞いた言葉だった。




父:「いぐいは標準語じゃろ?」




兄:「お前、ほんまに現役大学生かーー!?辞書で調べてみぃや!!」




口々に罵倒される私。




広辞苑を開き「いぐい」を探す。




やはり、ない。




父が言う。




「いぐいじゃないんで、




「いぐいぃーで!!!」




どっちもないわーい!!!




結局、この言葉の正体は、




えぐいだった。