長い間「上手に発信」することがライターの使命でした。
いわゆるアウトバウンドマーケティングが主流だった時代です。

雑誌や広告で
「こんな素敵な服」「こんな美味しいもの」「こんなかっこいい車」
といったことを、上手に書くことができて、
それを読んだ読者に
「あ、これ絶対に欲しい。どうしても欲しい」
と思わせたら成功だったのです。
「発信」つまりPRもマーケティングも一方通行だった時代です。

そこへ、SNS時代の到来です。
最初は、
「Twitter って意味あるわけ?」 とか 
「FACE BOOKなんかすぐに廃れるよ」と言っていた企業も、
(これはちょっとうちもやった方がいいんじゃないか?)
と思うようになり、今やうちの主な仕事は、WEB-SITEのライティングだけではなく、企業のFACE BOOK のコンサルや原稿制作・監修となって参りました。

企業のホームページの原稿を制作する仕事の場合、雑誌や広告で活躍しているライターさんは、そのスキルを存分に発揮できます。
わかりやすい言葉で企業の理念や製品について書くという仕事ですから、物事の本質を理解でき、文章が上手で、締め切りを守れるライターさんは、ここで大活躍です。
では、そのライターさんたちが、そのままSNS のライターさんとしてお願いできるかといえば、そうでもありません。
「かっこよい文章を書きっぱなし」では、
うっかりすると(この人、ちょっと嫌なヤツ?)と思われかねないからです。

私の会社が求めているSNS時代のライター(ファシリテーターと呼んでいます)は、
文章が上手なだけではなく、穏やかで忍耐強く、どんなリクエストにも上手に対応できる柔軟な‘コミュニケーター’です。
企業の担当と連携しながら、驚くようなことをコメントを投稿されても、
相手を怒らせず(自分も怒らず)、上手に話を誘導し、問題を解決しなければなりません。

ライターとコミュニケーターというのは、似ているようで、実はまったく違う性質のものです。
ですから、そのふたつの資質を併せ持っている人材はとても貴重です。

ウエッブサイトの方は、若くて機動力のあるライターさんをお願いしても、企業のSNSの顔を派遣するとなると、色々な経験をし、酸いも甘いも噛み分けた、心の温かい、人と会話をするのが好きなライターさんにお願いすることが多いのはそれが理由です。
最近では、SNS時代のライティングについてのセミナーも社内で行っております。
SNS向け最適な文字数、口調、画像の選び方、顧客対応、最新の仕様やソフトウエアについて学びます。

私の会社ほど、文章が上手でコミュニケーション能力が高いライターさんと
たくさん契約をしている編集プロダクションは、きっとないと思います。
どうもうちのウエッブサイトはぱっとしない、SNSをやれって言われたけどどうしたらいいかわからない、なんて場合は、ぜひご連絡ください。

また、もしも「文章が上手で、忍耐強く、コミュニケーション能力の高い」編集者・ライターさんがこのブログを読んでいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。
急速に変わりゆくこの時代に、編集者とライターは活躍の場がどんどん広がっています。
一緒に時代の最先端を走っていきましょう。

<余談>
私がデジタルの仕事を始めた15年前は、
ホームページなんて作る意味あるの?という時代でした。
たった15年前に、ホームページがない企業がたくさんあったなんて、みなさん信じられますか?
私は、そんな企業に
「すべての企業がホームページをもつ時代が来ます。ぜひ作りましょう!」
という営業をして、
「各家庭にコンピュータなんてないじゃないの。作っても効果ないよ」
なんて渋がる担当を説得していたものです。
今、SNS を始めるのに渋っている担当者に同じような営業をしているわけです。