こんにちは、大成信一朗です。

 

あなたは「無用の用」という言葉をご存じだろうか?

「一見無駄なものでも別の所で重要である」という中国古典の言葉である。

 

多くの成功者が成功する時にも無用の用があった。

なので、無用の用は成功にとって大事なマインドセットと言える。

 

そこで、無用の用にとって解説する。

 

無用の用とは?

無用の用とは、役に立たないように見えても、他の所でも役に立っているという意味である。

『老子』、『荘子』という中国古典に出てくる言葉だ。

老子と荘子は道教という中国の宗教の聖典である。

その2つの聖典に出てくる言葉なので、無用の用はとても重要な概念だということがわかる。

 

特に、荘子では無用の用は1回だけではなく、何度も出てくる。

だから、無用の用はそれほど大事な概念なのだ。

 

無用の用が成功につながった事例

「いくら中国古典で重要な概念でも、効率や生産性が重視される現代社会で通用するの?」と疑問に思うかもしれない。

 

結論は、現代のビジネスにこそ無用の用は必要である。

 

無用の用の成功例で一番有名なのはスティーブ・ジョブズのマックの開発秘話だ。

 

あなたはスティーブ・ジョブズのスタンフォード大学での点と点が繋がるの伝説のスピーチをご存じだと思う。

 

たとえば、リード大では当時、全米でおそらくもっとも優れたカリグラフの講義を受けることができました。キャンパス中に貼られているポスターや棚のラベルは手書きの美しいカリグラフで彩られていたのです。退学を決めて必須の授業を受ける必要がなくなったので、カリグラフの講義で学ぼうと思えたのです。ひげ飾り文字を学び、文字を組み合わせた場合のスペースのあけ方も勉強しました。何がカリグラフを美しく見せる秘訣なのか会得しました。科学ではとらえきれない伝統的で芸術的な文字の世界のとりこになったのです。 

 

もちろん当時は、これがいずれ何かの役に立つとは考えもしなかった。ところが10年後、最初のマッキントッシュを設計していたとき、カリグラフの知識が急によみがえってきたのです。そして、その知識をすべて、マックに注ぎ込みました。美しいフォントを持つ最初のコンピューターの誕生です。もし大学であの講義がなかったら、マックには多様なフォントや字間調整機能も入っていなかったでしょう。ウィンドウズはマックをコピーしただけなので、パソコンにこうした機能が盛り込まれることもなかったでしょう。もし私が退学を決心していなかったら、あのカリグラフの講義に潜り込むことはなかったし、パソコンが現在のようなすばらしいフォントを備えることもなかった。もちろん、当時は先々のために点と点をつなげる意識などありませんでした。しかし、いまふり返ると、将来役立つことを大学でしっかり学んでいたわけです。

 

出典:日本経済新聞「ハングリーであれ。愚か者であれ」 ジョブズ氏スピーチ全訳

 

カリグラフは一見無駄なように思える(ジョブズ自身の何かの役に立つとは考えていなかった)。

しかし、マックではカリグラフが重要な要素となった。

これこそまさに無用の用である。

 

将来何が役に立つかは、正直、今の時点ではわからない。

だから、「これは無駄」と決めつけずに、今、目の前のことに真剣に取り組もう。

 

「無用の用」のマインドセットを持とう!

一見無駄に思えることでも、他の所で重要な役割を果たす。

それは、古くから中国で伝わる無用の用という考え方である。

 

無用の用は現在のビジネスでも通用する考え方である。

なので、「無用の用」というマインドセットを持って、無駄に思えることでも真剣に取り組もう。

将来、あなたが成功するのに役に立つかもしれない。

 

大成信一朗

 

追伸:

「無用の用」以外にも、中国古典は現在でも通用する成功のマインドセットの宝庫である。

中国古典の出てくる、あなたを成功に導くマインドセットはこちらの記事で紹介しているので、ぜひ読んでほしい。

→ マインドセットは中国古典から学べ