プロテインはたんぱく質を摂取するためのもの。
最低限飲める味であれば、安いに越したことはない。
──これまでの私の持論だった。
お客様から「おすすめのプロテインはありますか?」と聞かれれば、
「マイプロテイン」や「エクスプロージョン」など、大容量で高コスパの製品を迷わず勧めていた。
ところが先日、ある女性のお客様が「プロテイン買ってみました」と話してくれた。
聞いたことのないブランド名だったので、調べてみると……
私の“コスパセンサー”にはまったく引っかからない、価格は倍近くの製品だった。
「もっと安いプロテインがありますよ」
──そう言いかけた言葉をぐっと飲み込んで、「なぜ、そのプロテインを選んだんですか?」と聞いてみた。
返ってきた答えは……
「レビューで“味が美味しい”って書いてあったんです。せっかく飲むなら、美味しいものにしたいなって。」
……目から鱗だった。
私にとってプロテインは“たんぱく質の塊”。
でも、お客様にとっては筋トレ後の楽しみだったのだ。
コスパに脳を支配されていたのかもしれない。
たまには、普段飲まないプロテインも飲んでみようと思った。