○生成AIが浸透してきて以降、我々ITエンジニアの世界にも生成AIが侵食してきている。
○大抵のプログラム言語は生成AIでコーディングしてくれるし、既に存在するプログラムソースを生成AIに突っ込むとソースの問題点を見つけてくれる。
○問題なのは、必ずしも正しいわけではないという点である。
○今のところ、我々の職業の過半数は、生成AIの作成するプログラムソースよりも優れたプログラムソースを作り出せる。ただし、時間を要する。
○それこそ、一つのプログラムを完成させるのかを測るのに必要な時間の目安は、時計ではなくカレンダーである。
○しかし、生成AIのプログラム作成スピードは人間の比ではない。時間計測に用いるのは時計どころかストップウォッチだ。
○そこで、今のところは生成AIにプログラムソースを作らせ、人間が手直しするという構図になっている。
○ただし、基本設計や詳細設計に長けたエンジニアに生成AIを用いたプロブラムソースを作らせると、100%問題無しとは言えないにしても、かなりの品質のプログラムソースを作り出せる。
○そこで、どのようにプログラムソースを作り出させているのかを調べてみると、一つの結論に行き着く。
○「察しろ」という感情を失っているのだ。
○生成AIに限ったことではないが、コンピュータというものは、命令していないことは何もしない。全て命令通りにしか動かない。
○ただし、命令通りならば確実に動く。
○そこで、命令を事細かに書く。あやふやな解釈とならないよう、全てにおいて確実な条件と確実な命令を書く。「察しろ」とは言わない。
○よくあるのが、「対象が100件以下なら処理Aを行う。それ以外は処理Bを行う」と言う書き方をしてしまうケースであるが、生成AIを相手にするならばそのような書き方はしない。このように書く。
下記(1)と(2)の処理を行う。
(1)対象件数を調べる。
(2)上記(1)で取得した対象件数が100件以下であれば処理Aを行い、上記(1)で取得した対象件数が100件を超えているならば処理Bを行う。
○そこまで書くのかと思うのかもしれないが、そこまで書く。そこまで書かないと想定通りに動いてくれないと理解しているからである。
○なぜかというと、プログラムのコーディングというもの自体があやふやな会社を許さない性質のものなので、生成AIを使ってプログラムを作らせることに長けている人というのは、頭の中にあるプログラムソースを人間のわかる言語にそのまま直訳している人なのである。
○おそらくであるが、今後の生成AIを用いた業務において重宝されるのは、気の利かない人物、察するなどできない人物、文字通りのことしかできない人物なのかもしれない。
○従来であればマイナス評価になっていたそうした特性も、これからはプラス要素になるのだろう。
