○自然災害に遭って避難所に避難した人が口を揃えて言うことが二つある。
○一つは「いざというときのために備えていたら、みんなのために使えという名目で盗まれる」。
○もう一つは「独身男性に人権はない」。
○避難した人の多くは災害に備えて備蓄しているわけではなく、避難のタイミングで持ち運べる物だけを持って避難所にやってくる。
○つまり、食料や医薬品をはじめとする物資を持たずに避難所にやってくる。
○そこに、自然災害に備えて物資を持って来た人が避難所にやってきたら、その物資は「みんなのもの」という名目で略奪される。
○また、「高齢者だから」「小さな子がいるから」という理由で、優先的に物資を受け取ることが許されると考える。
○ここでいう物資とは、普段から自然災害に備えて物資を蓄えてきた人が持ってきた物資のことである。この段階で避難所に支援物資が届いている可能性は低い。
○しかし、何も持たずに避難してきた人の目には、普段から備えてきた人が持ってきた物資が支援物資に映る。ゆえに、「みんなのもの」という名目での略奪が始まる。
○それでも持ってきた人が小さな子を抱きかかえている親であればまだ許容される。せいぜい我が子のための粉ミルクを持ってきた母親から、自分の分の粉ミルクを求める人が現れる程度である。
○しかし、避難してきた人が独身男性であった場合はそのような配慮などない。全てが奪われるだけでなく、支援物資が届けられるようになっても、物資配給は一番最後になる。
○また、避難所の中での寝る場所もまともに確保できない。そこで寝ると感染症に罹患する可能性が高いであろう場所か、もしくは、そもそも避難所の中に寝る場所がどこにも無いかもどちらかである。
○避難所の中におけるタダ働きの奴隷となるのも独身男性である。自分のための物資を持ってきたはずなのに自分のために物資を使うこともできず、雑用を強要される日々が待っている。
○働いてくれていることに感謝する人もいるが、奴隷としてこき使われるのが当たり前と考えで、次から次へとこき使うネタを見つけ出す。多くの場合、こき使う側は自らが高齢であることを理由に何もしない。
○この状況に腹が立って避難所を出て行こうとしても止められる。「みんなで助け合おう」という名目であるが、実際にはタダ働きの奴隷を失いたくないだけである。
○そうした体験をした人達から伝え聞くのは、「物資を持って避難所に行くな」「独身男は車中泊しろ」という教訓である。
○こういうとき、マンション住まいなのはありがたいと感じる。市のほうから、自然先買いの場合は避難せずにマンションに留まるよう言われているから。

