○現在、横浜F・マリノスがAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦のためにアラブ首長国連邦(UAE)に滞在している。
○決勝戦の相手は、UAEの強豪アルアイン。アルアインはACL2003年大会で優勝しているほか、2005年、2016年の2回の準優勝を経験している強豪である。
○一方、横浜F・マリノスは初のACL優勝を狙っている。決勝進出は日産自動車FCであった1989-90シーズンに経験したことがあるが、そのときは合計3-2で敗れており準優勝に終わっている。
○ところで、これは去年優勝した浦和レッズに対する処遇についても言えることであるが、どうもJリーグはACL決勝進出クラブに対して疑問符を付けたくなる処遇をしている。
○それでも去年の浦和は決勝第1戦の前の試合を終えたあとでただちにサウジアラビアに行くことも、サウジアラビアでの試合を終えてから第2戦までの1週間の間を取ることもできたが、今年のマリノスは決勝第1戦から第2戦までの間に2週間ある。
○問題はこの2週間である。この2週間の間にJリーグの試合が2試合入っているのである。
○さらに問題と言うべきか、UAEでの試合を終えたら中2日で日本に戻ってきて試合をするというムチャクチャなスケジュールだ。
○こんなムチャは果たして許されるのか?
○本来は許されないのだが、どうにかしてしまった実例が存在するのだ。
○それが、2007年の浦和レッズ。
試合日 | 対戦相手 | 対戦相手 | 試合会場 | 所在地 |
---|---|---|---|---|
2007/10/28(日) | J1第30節 | 名古屋 | 埼玉スタジアム | 埼玉 |
2007/11/07(水) | ACL決勝第1戦 | セパハン | フーラド・シャハールスタジアム | イラン |
2007/11/11(日) | J1第31節 | 川崎 | 等々力陸上競技場 | 川崎 |
2007/11/14(水) | ACL決勝第2戦 | セパハン | 埼玉スタジアム | 埼玉 |
2007/11/18(日) | J1第32節 | 清水 | 埼玉スタジアム | 埼玉 |
○名古屋で試合をしてから10日空いてイランに行って試合をした後、中3日、中3日、中3日、中3日と4試合をこなした
○似た例が、2018年の鹿島アントラーズ。
試合日 | 対戦相手 | 対戦相手 | 試合会場 | 所在地 |
---|---|---|---|---|
2018/10/31(水) | J1第31節 | C大阪 | カシマサッカースタジアム | 鹿嶋 |
2018/11/03(土) | ACL決勝第1戦 | ペルセポリス | カシマサッカースタジアム | 鹿嶋 |
2018/11/06(火) | J1第32節 | 柏 | 三協フロンテア柏 | 柏 |
2018/11/10(土) | ACL決勝第2戦 | ペルセポリス | アザディスタジアム | イラン |
○ACL第2戦の後に少し休みがあるとは言え、こちらも厳しい日程である。
○以上を踏まえて、今年の横浜F・マリノスのACL決勝前後の試合日程をまとめるとこうなる。
試合日 | 対戦相手 | 対戦相手 | 試合会場 | 所在地 |
---|---|---|---|---|
2024/05/06(水) | J1第12節 | 浦和 | 埼玉スタジアム | 埼玉 |
2024/05/11(土) | ACL決勝第1戦 | アルアイン | 横浜国際総合競技場 | 横浜 |
2024/05/15(水) | J1第14節 | 新潟 | デンカビッグスワン | 新潟 |
2024/05/19(日) | J1第15節 | FC東京 | 味の素スタジアム | 調布 |
2024/05/26(日) | ACL決勝第2戦 | アルアイン | ハッザーア・ビン・ザーイド・スタジアム | UAE |
2024/05/29(水) | J1第9節 | 柏 | 日産スタジアム | 横浜 |
2024/06/01(土) | J1第17節 | 鹿島 | 国立競技場 | 東京 |
○明らかにおかしい。
○ちなみに、2017年11月の浦和や2019年11月の浦和、2023年5月の浦和もそれなりの過密日程ではあったが、ここまで酷くはなかった。
○厳密に言うと、浦和の場合はACL決勝に進出する年は一年中とんでもないスケジュールが組まれることとなるので、短期集中でのとんでもないスケジュールになるわけではない。
○……、Jリーグももう少し考えるべきなんじゃないか?