御報告・それから | Short+α

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読書とはカネのかからない趣味である。
カネがかかるのは本を買うとき。

喪主として父の葬儀を終えました。

父が亡くなってからこれまでを振り返ったとき、禁酒したことがプラスに働いたのかと感じます。
ものすごいストレスで、まだ酒を呑めるままだったら、かなりの可能性で酒に逃げていたと思います。

父がもうこの世の人でないという現実と向かい合いつつ、多忙を求められる。それが残された家族です。
一週間の忌引休暇は、休むのではなく、多忙のために仕事が手につかないために職場に来るなと命じられることなんだと知りました。
もし、職場に出向いていたら、あるいはリモートで仕事に接していたら、たぶん、破綻していたでしょう。仕事が破綻していたであろうし、生活も破綻していたでしょう。葬儀の向けての多忙をこなす時間も取ることができず、私は壊れてしまったかもしれません。

現在、8050問題が話題になっています。
8050問題の意味するところは80代の親が50代の子どもの生活を支えるために経済的にも精神的にも強い負担を請け負っているという問題です。
ですが、その逆の問題もこれから起こってくるでしょう、あるいは既に起こっているとも言えるでしょう。50代が80代を介護し、看取る。兄弟姉妹が多い時代であれば、せめて結婚していれば、どうにかなったかも知れません。ですが、独身のまま年齢を重ね、両親の介護を一手に引き受けると、重圧もまた一手に引き受けなければならなくなります。病院や施設からの急な呼び出しにも、入院先からの急な呼び出しにも、そして葬儀にも、一人で対応しなければならなくなります。

しかも働きながら。

 

氷河期世代のうち、少なくない数の人が既に親を看取ったでしょう。

ですが、もっと多くの人がこれから親の死に直面するはずです。

これから先、社会問題として顕在化する気がします……