【冠位】(かんい)
本来の意味は冠(かんむり)と位(くらい)。転じて、国家や社会における席次を示す位階。本来の意味のほうは大宝元(七〇一)年に廃止となったが、概念としては現在も残る。特に、政治を語ってデモに繰り出している連中は自分をこれが上位だと自惚れている。
【寒威】(かんい)
寒さの勢い。寒気の激しさ。夏の終わりが秋の到来ではなく冬のこれによるものという地獄の季節推移となったのが令和五年である。
【官位】(かんい)
官職と位階。転じて、その人の公的な地位や役職。このために奮闘するビジネスパーソンよりも、これを諦めたビジネスパーソンのほうが生き生きしているように感じる。
【官医】(かんい)
江戸幕府に仕えた医者。この時代は誰でも医者を自称することができたが、これは誰もが自称できたわけではないので、これに選ばれたということは医師としての能力が高いことを意味する。ただし、時代劇での設定は除く。
【寛衣】(かんい)
ゆったりと大きく作った着物。これが身体にちょうど良くなるというのは、体脂肪を蓄えることによって成り立つ、
【幹囲】(かんい)
樹木の幹まわりの寸法。通常は人間の目の高さ付近で測る。その三分の一ぐらいが樹木の直径というところから小学校の教科書では円周率の説明をはじめる。
【換位】(かんい)
論理学で、定言的判断の変形による直接推理の一。ある判断から、主語を述語に、述語を主語として、新しい判断を導き出す推理。たとえば、「ある男性は水泳選手である」から「ある水泳選手は男性である」を導くのがその例だが、言語を習いたてで文法をグチャグチャにしたら似たような文になる。
【敢為】(かんい)
物事を困難に屈しないでやり通すこと。困難に屈しないという不屈の精神は、安全な場所で娯楽として眺めるときにのみ価値を持つ。
【簡易】(かんい)
簡単で手軽なこと。コンピュータプログラムを利用者にとってこのように作ると、そのプログラムそのものは壮絶なものとなる。
【簡易書留】(かんいかきとめ)
書留の一種。郵便物や荷物の引き受けと配達だけを記録し、途中で亡失や棄損があった場合は五万円を限度として実損額が賠償されるようになっている。いつまでこの制度が維持できるかどうか怪しい。
【簡易課税制度】(かんいかぜいせいど)
簡易課税制度は、中小事業者の納税事務負担に配慮する観点から、事業者の選択により、売上げに係る消費税額を基礎として仕入れに係る消費税額を算出することができる制度で、具体的には、その納税地の所轄税務署長に「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した課税事業者は、その基準期間(個人事業者は前々年、法人は前々事業年度)における課税売上高が5,000万円以下の課税期間について、売上げに係る消費税額に、事業の種類の区分(事業区分)に応じて定められたみなし仕入率を乗じて算出した金額を仕入れに係る消費税額として、売上げに係る消費税額から控除することになる。インボイス制度導入後も続く。

