偉大なる皮肉・親の金遣い編 | Short+α

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○当ブログの筆者は貧乏と呼ぶべきあらゆることを体験した幼少期を過ごしてきたが、本だけはどうにかなった。

 

○特に母が本好きということもあって、子供の無駄遣いにはうるさかったものの、本だけは特に何も言わなかった。

 

○マンガを買っても特に何も言わなかったし、マンガじゃない本を買ったときは誉めてくれた。

 

○親の本棚にある本を勝手に読んでも何も言わなかったし、息子が読んでいると知って続巻を買ってきたときは自分より先に息子に本を渡してもいた。

 

○図書館から遠いところに住んでいたが、週に一度、移動図書館が回ってくるところでもあったので、移動図書館が来る日は多少の悪天候でも移動図書館まで連れて行った。

 

○父はあまり本について言わなかったが、それでも本を買ってくれと願う息子のワガママに付き合ってくれた。

 

○騙されたのか、それとも見栄を張ったのか、父親はブリタニカ国際大百科事典を全巻買った。

 

○それで夫婦ゲンカを生み出したがクーリングオフとはならず、百科事典は息子の愛読書へと変貌した。

 

○本好きなのは兄もそうなのだが、兄はどういうわけか本を捨てることに何の躊躇いも見せない人間であり、それが兄の本であるのならば仕方ないとは思うが、たまに矛先が弟の買った本に向かうこともあった。

 

○こうなると地獄である。どうにかして自分の本を守らなければならないのである。

 

○兄の魔の手から逃れることに成功したのは、兄が高校を卒業して一人暮らしをはじめてから。

 

○そして、兄が独立したことで兄の部屋のスペースが空いたことで、本を捨てられてしまうという悩みが消えたと同時に、もう一つの悩みも消えた。本を置くスペースがないという悩みである。

 

○しかし、本を置くスペースの悩みは復活してしまった。大学に入り、アルバイトを始めたことで、アルバイト代がそのまま書籍購入費に化けたことで、本の増え方が勢いを増した。

 

○ここに、教育費に一段落付いた親が本を買うペースを増やした親が加わる。

 

○一人暮らしを始めたとき、本は置いていった。まともに本を置くスペースがないところで暮らすことが決まったので、実家の本棚をそのままにするしかなかった。

 

○しかし、本は読みたい。

 

○そこで、実家にあるのと同じ本をまた買うこととなる。

 

○その状態でマンションを買い、両親を引き取った。

 

○するとどうなるか? マンションのうちの一部屋の床が消えた。本を置く場が無くなり、床に直置きするしか無かったのだ。

 

 

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