○何度かネタにしたことがあるが、当ブログの筆者は教員免許を持っている。いや、持っていたとするべきか、今となってはどうなったかわからない。たぶん更新できていなくて失効しているであろう。
○教員免許を持っているということで想像つくと思うが、教育実習も体験した。
○教育実習先は母校である高校。そして、受け持ったのは高校一年生。つまり、入学してさほど時間が経っていない高校生を、この高校で三年間を過ごした卒業生が教えるという光景であった。
○あと、ちょっとした同窓会でもあった。我が母校はどういうわけか教職をとったのが多く、教育実習先に母校を選んだ者も多く、職員室隣の教育実習生控え室では思い出話に花を咲かせていた。
○教育実習で最初にしたこと、それは、受け持つクラスの生徒の顔写真と名前を覚えることである。
○特に気をつけたのが、生徒の名前の読み間違えをしないこと。漢字だけでなくフリガナも覚えた。
○授業については授業準備プラス授業計画にかなり時間を割いた。授業が50分でも、授業準備と授業計画で短くとも3時間は要した。
○教育実習期間中に教えていたのは古代ギリシャ。私の専攻は古代ローマだが、ゼミとしては西洋古代史ゼミなので、ゼミ生ならば否応なく接しているその時点での最新の学説を授業で展開した。生徒はもちろん、教育実習の担当教官もポカンとしていた。
○授業で使うプリントにゼミで使っていた地図を載せた。ただし、ゼミで使っていた地図は白地図だったので、国の識別をしやすくするためにスクリーントーンを使った。漫画家のくせにスクリーントーンを使ったのは後にも先にもこのときだけである。
○時代がある程度想像できると思うが、週休二日制を体験したことがなかった当ブログの筆者が週休二日制での土曜日の休みを体験したのは教育実習でのことである。
○なお、土曜日の休みは就職活動、日曜日の休みは国家公務員試験だったので、休みではあっても休みではなかった。
○ちなみに、両方とも落ちた。
○教育実習の最終日は担当教官だけでなく大学からも担当教員がやって来る。言わば授業参観教育実習生版であるが、これが途轍もなく緊張する。そして終わった後は容赦ない駄目出し。これで心が折れる。
○教育実習最終日に涙を隠せなくなる実習生がいる一方、ケロリとしている実習生もいる。自分は後者だった。
○なお、私はその高校から歩いて5分の場所に住んでいたので、教育実習が終わってもかつての教え子としょっちゅう顔を合わせていた。自転車に乗って駅に行くだけで教え子と顔を合わせるのだからどうしようもない。
○教育実習最終日に「教員採用試験にこれから挑んできます」と高らかに宣言したが、氷河期世代のピークの時代である。教員採用試験の倍率は102倍で、教員採用試験も落ちた。
○受かっていたら、私はシステムエンジニアではなく教師になっていただろう。そして、実際よりももっと早く過労で倒れていたであろう。
