○本日9月10日はカラーテレビの日。
○おじいちゃんといっしょの佐藤善次さんと佐藤隆三さんはテレビを作る工場で働いていたこともあって、かなり早い段階でカラーテレビと接していたという設定です。



○史実と比較すると、佐藤兄弟は例外的にカラーテレビに早い段階から接した人であるが、これはおかしな話ではない。何しろテレビを作って売るのが仕事なのだ。
○1962年にスタンフォード大学のエベレット・ロジャースによって提唱されたイノベータ理論では、新しい製品やサービスが誕生すると、まず、最先端に興味がある2.5%に行き渡る。この2.5%をイノベーター(Innovators:革新者)という。カラーテレビで考えると、佐藤兄弟は二人揃ってイノベーターである。
○イノベーターが新製品や新サービスを享受している間、それらの新製品や新サービスは未来に対するニュースとして取り上げられることがあるが、まだまだ一般に普及しない。
○イノベーターに行き渡ると、アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用層)と呼ばれる13.5%の人にも新製品や新サービスが届く。ここまで来ると新製品や新サービスを享受することが最先端の証明となる。
○イノベーターとアーリーアダブターを合わせた16%に新製品や新サービスが行き届いた頃になると、ここでいったん普及が止まる。この現象をキャズム(深い谷)という。新製品や新サービスが広く普及するにはこのキャズムを乗り越えなければならない。キャズムを乗り越えることに失敗した新製品や新サービスは普及しない。
○キャズムに接している新製品や新サービスを知ったとき、最先端について行くのに躊躇するも、最先端に接していないと時代に取り残されるという焦りから、34%の人達が新製品や新サービスにチャレンジする。この人達のことをアーリーマジョリティー(Early Majority:前期追随層)という。ここまでくると半数まで普及したこととなり、新製品や新サービスを享受していない人のほうがこのままいくと少数派となる。
○過半数が享受するようになるのが確実視されることを目の当たりにして、アーリーマジョリティーと同数の34%も新製品や新サービスを享受することを選ぶようになる。この34%をレイトマジョリティ(Late Majority:後期追随層)という。
○ここまで来ると全体の84%が新製品や新サービスを享受していることとなり、未だ享受していないのは残る16%ということとなる。この16%をラガード(Laggards:遅滞層)という。
○佐藤兄弟が成功したのは、テレビがキャズムを越え、カラーテレビがキャズムを越えたからである。ちなみに、佐藤隆三さんは既に次の時代を見据えているようだが、そのあたりは「おじいちゃんといっしょ」で。
○わたしもたまにはMBAモードになるんです。
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