○2006年の今日、冥王星が惑星から外された。
○冥王星とは奇妙な星である。
○まず、公転軌道が傾いている。
○さらに、通常は海王星よりも遠くにある星であるが、公転軌道の途中で海王星より太陽に近づくこともある。
○現在は惑星から外されているが、本日の1行目に記したように2006年までは惑星であった。
○そのため、2006年までに放送されたアニメなどでは冥王星をモチーフとしたキャラクターが他の惑星と並んで登場している。月に代わってお仕置きするあれとか。
○一方、ホルストの組曲「惑星」に冥王星は登場しない。冥王星を外したのではなくホルストの時代はまだ冥王星が惑星として存在しなかったから。
○冥王星は現在でこそ惑星ではないが、かつては巨大な衛星を持つ惑星ということにされていた。その惑星が、カロン。冥王星が惑星から準惑星にされたとき、衛星から準惑星に格上げになった星である。
○便宜上、冥王星を惑星、カロンを衛星として記載するが、カロンは惑星と比較しての衛星の大きさが太陽系のどの衛星より上回っている。冥王星のほうが大きいが、カロンは冥王星の半分以上の直径の天体である。
○カロンがあまりにも大きい上に地球から遠いので、地球から観測すると冥王星が大きくなったり小さくなったりするように見えてしまう。
○遠くにあるからやむをえないとするしかないが、カロン以外の衛星が発見されたのは2005年になってから。カロン以外に惑星を持っていると判明してから1年後に冥王星が惑星でなくなり、冥王星が惑星から外されてからさらに衛星が発見された。
○ちなみに、何を持って惑星とするか準惑星とするかであるが、惑星となるための条件は3つ、「太陽の周囲を公転していること」「ほぼ球形を保つ質量であること」「公転軌道上から他の天体を排除していること」で、3つとも満たすと惑星、3条件のうち2条件を満たすなら準惑星である。
○なんで惑星と準惑星を分けることにしたのかというと、冥王星が想定している小さかったから。
冥王星を惑星にするなら他の星も惑星にしなければならない。惑星の条件をきっちり決めると冥王星が惑星でなくなる。
○さらに新たな星の発見が相次いでおり、冥王星を惑星とするならば惑星が次々に増えることとなる。惑星をこれ以上増やさないためには惑星の条件を決めなければならない。以上の論戦が続き、2006年の今日、冥王星が惑星から外された。
○冥王星にしてみれば、遠くの星が勝手に決めたことに、ああでもない、こうでもないと議論されること自体が気にくわない話であったろうが。