○平成26(2014)年の今日、国立競技場こと「国立霞ヶ丘陸上競技場」の歴史に終止符が打たれた。オリンピックに向けての改修工事が始まるためである。
○国立競技場の思い出は多々ある。どれもこれも今となっては感慨深い。
○新宿から、あるいは秋葉原から総武線に乗ったその瞬間から、国立競技場に行くのだという思いに満ちる。
○千駄ヶ谷駅に着くとダフ屋が待ち構えている。
○「チケット譲ってください」のボードを掲げている人もいる。
○応援席によって入場門が異なるが、入場門に着けば国立競技場に入れるわけではない。延々と行列が続いている。
○その行列は国立競技場周辺の林の中に続いていて、適度な日陰にはなっているが蚊にさされる。
○中に入ると、狭い。外周が狭くて人混みにあふれ、建物の中に入ってから観客席への入り口にたどり着くまでが一苦労である。
○観客席にたどり着いたら、ここも狭い。一人あたりの座席スペースが狭く、荷物置き場も無い。
○無いついでに屋根も無い。雨が降ると濡れるしか無い。本人も荷物も濡れるしかない。
○時間とともに通路も無くなる。通路は立ち見席になり、階段の半分が座席に変わる。移動する自由が無くなり、トイレに行くのが一苦労となる。
○トイレが階段下にあり、トイレを終えて通路に戻るとき、階段から上がるところで鉄柵のカドに頭をぶつける。
○通路にある売店はどこも行列。様々な料理が売られていたが、冬場の最高の御馳走はカップヌードル。異論は認める。
○正式名称からわかるとおり、国立競技場は本来陸上競技場である。ゆえに、サッカーやラグビーは、開催に支障をきたすわけではないが、専用スタジアムと比べると見づらい。
○とは言え、国立は簡単に行ける場所ではない。特別な場所で有り、憧れの場所である。始まったあとの盛り上がりもいつもの比ではない。
○始まってから終わるまでの盛り上がりそのものがいつもの比ではない。
○そして、散々不満を言っていた人であっても、「次もまた」あるいは「次こそは」のどちらかになる。「次は無い」という選択肢は無い。
○ちなみに、この観客席のどこかに私が映っている。黒との境目あたりで赤のビニールを掲げているうちの一人が私。