○かつて「奇跡の長寿の村」と注目を集めたところがあった。その村は全国の市町村の中で平均年齢がトップだったのだ。マスメディアは当初、この村の長寿の秘密を解き明かそうとした。
○その結果、平均寿命がトップある理由は、長生きではなく、若者が村から出て行ってしまっているから。つまり、過疎が原因で平均年齢が高くなったというのが判明した。
○これが、確認しうる限りでもっとも古い日本の過疎問題である。
○過疎を食い止めるためには若者に残ってもらわなければならないだけでなく、若者に新しく移住してきてくれなければならないが、過疎にあえぐ地域はその逆をやっている。
○昔から住んでいる家のほうが偉いという考えがあり、新参者は古参住民の奴隷である。
○若者は高齢者の奴隷である。
○若者に住み続けてもらうためには、むかしから住んでいる高齢者が若者に頭を下げて移住してきてもらうしかないのだが、それを認めない。
○プライバシーという概念は無く、誰がどこで何をしていたかを住民が全員知っている。
○娯楽と呼べるものが何もなく、時間のつぶし方が、酒、もしくは、おしゃべり。
○そこで話される内容は、誰かの悪口。そこにいない者の悪口だけでなく、そこにいる者の悪口で盛り上がる。
○差別が当たり前にある。それは差別だという指摘をしても全く耳を貸さない。
○本屋が無く、本を読むという日常も無い。
○美術館や博物館に行くという休日の過ごし方をすると白い目で見られる。
○郵便局や役場の窓口に怒鳴り散らすのを生き甲斐としている者がいる。
○若者が就ける仕事が、そういう者の相手をする仕事しかない。
○最低時給を下回る仕事をさせて平然としている。
○そこを指摘しても「やりがい」という言葉で正当化する。
○現在は都会と自負している地域でも、近い未来、こうなる。
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