○私はこうして、無茶な仕事に対する断言を拒否した。
○「努力はします。ただし、断言はできません」
○「なぜ断言を求めるのですか? そのような無責任な言葉は言えません」
○「断言するというのは、責任を伴う態度では無く、見通しを甘く見ているだけの無責任な態度です」
○「着手した後で『やっぱりダメでした』と言う人を信用できますか?」
○「できるかできないかを判断できるだけの情報も提供されていませんし、分析できる時間もありません。その状態でどうやって断言できるというのですか?」
○「情報を自分で見つけ、時間を自分で作り出すなんて言うのは、無責任な机上の空論です。それはどちらも依頼する側が用意するものです」
○「充分な時間と充分な情報が提供された上で、できるかどうかを判断します。現状では判断自体が不可能です」
○「あなたが言っているのは、丁半博打で丁か半かを当てろと命じているのと同じです」
○「さらに言えば、当ててやっとノルマ達成、外したら評価を下げるだなんて条件で、丁か半かを当てろと命じているのと同じです」
○「先ほども言いましたが、できると断言させたかったら、断言できるに必要な時間と情報をあなたが用意してください。その上で断言できるかどうかを決めます」
○「プロだから断言しないのです。できないことをできると断言するのはプロの仕事ではありません」
○「どんな無茶な条件でも『できます』と断言して、実際に実現させる人がいるのは知っていますが、私はその人ではありません」
○「そのような回答と結果を求めるなら、私ではなくその人を連れてきてください。自分の給料の二〇倍ぐらい出せば応じてくれるはずです」
○「今のうちに確認しておきますが、断言して結果を残したら、給料は二〇倍になりますよね?」
○「言っておきますが、実績を残したことと次の仕事に繋がることとは何の関係もありません。プロの評価はいくらの報酬を得た仕事をしたかで決まります。それぐらい当然御存知ですよね?」
○「なるほど、報酬では無くやりがいでどうにかできるというわけですか。実に興味深い話です。これでもMBAに片足を突っ込んでいる身ですので経営学についてある程度知っているつもりでしたが、今まで一度も聞いたこともなければ、経営学書で読んだこともない斬新な学説です」
○「ぜひとも、全世界の経営学者が驚愕するその学説を詳しく教えてください。大学院にレポートとして提出させていただきます。ちゃんと企業名も載せますからご安心ください」
○「で、もう一度現時点の回答を述べさせていただきますが、努力はします。ただし、断言はできません。以上です」
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