偉大なる皮肉・パスワード編

○当方これでもＩＴ企業の社員であると同時に、金融業に身を置いている身である。

○つまり、他の職業の人よりは、漏れようものならシャレにならない情報に接する機会が多い。

○そのため、情報が漏れないようにするための対策をとらねばならない宿命を背負っている。

○結果、パスワードを扱う機会がとにかく多い。

○そして、スマートフォンをはじめとする電子機器の職場への持ち込みが禁止されているだけでなく、職場で手書きのメモをとることはできても、その書き込みをした紙を持ち出すことが許されていない。

○なので、パスワードについてあれこれと悲喜こもごもしたものを持っている。

○席にあるＰＣにログインするためのパスワードはさすがにどうにかなっている。忘れたとしてもある程度の権限のある人なら徳薙零己に代わってログインできるようになっている。

○席にあるＰＣにログインできれば、自分に与えられたパスワードが何なのかわかるようになっている。ただし、パスワードの書いたファイルを開くときにパスワードを問われる。

○その結果、パスワードのメモを保存したファイルのパスワード、そのファイルのパスワードのメモと増殖する。

○英大文字、英小文字、数字、記号を組み合わせて何文字以上というルールにすると、必要となるメモがさらに増える。

○30日に1回は変更しろと命じられると、セキュリティが上がる以上にパスワード忘れの頻度が上がる。

○そして、「パスワードを忘れた場合の手順」の社内サイトに対するアクセスが増える。

○パスワードを忘れないようにと、付箋紙にパスワードを書いてPCに貼り付けようとする者が増える。

○それを禁止すると、パスワードミスでログインできなくなる社員が続出する。

○パスワードに関して、色々とシャレにならないことは経験してきたからこそ、パスワードを必要としない方法を渇望している。

○理論上はできるが、それを許す予算は今のところ、無い。

Ｓｈｏｒｔ＋α