○以下は全て、忙しさの局地にあった頃のシステムエンジニア徳薙零己の実話である。
○トイレに行く時間もないので、漏らす寸前に駆け込んだら、やたら濃いおしっこが出た。
○目の前で鳴っている電話にも出ない。
○昼休み? 何ですかそれ?
○定時? 何ですかそれ?
○聞いていようが聞いていなかろうが「何があろうと話しかけないように」と宣言し、それから先は何を話しかけられても全て無視。少なくとも部長からの言葉は無視した。
○本来の手順を可能な限り省く。手順に則ったらやってられない。おかげで成果物が穴だらけ。
○成果物の品質の悪さを咎められても無視。前述の通り、「何があろうと話しかけるな」を実践した。
○横から仕事を割り込ませようとした上司に、「一日は二四時間しかありません! やれというなら地球の自転を止めてからにしてください!」と叫んだ。
○一分一秒を争っているときに会議に呼ばれたので、プログラムが正しく動いていることを印刷した紙(約200ページ)を持って行き、会議中に紙に赤字で書き込みを入れた。上司は何か言いたかったようだが、こちらはそもそも上司のことを見る余裕も無く、紙に印刷されたプログラムの結果だけを見ていた。
○その紙への書き込みは、会議室から自席に戻る間も続けていた。
○同じく会議に無理矢理参加させられたとき、いっさい発言することなく黙り込み、会議が終わると同時に自席まで全力疾走で戻った。
○システムエンジニアが忙しくなるのは、一人当たりの仕事量が多すぎることもあるが、その多くは手間の多さ。コンピュータプログラムに関わる仕事なのに、プログラムが正しく動いていることを確認するのを紙に頼っていることが多い。
○しかも、紙に印刷されたプログラムの動いた結果について、紙に手書きすることが多い。これがかなり手間。
○プログラムが動いた結果を解析するプログラムを作ればいいではないかとなるのだが、そうなると、結果を解析するプログラムが正しく動くかどうかを紙に印刷して手書きしなければならなくなる。
○今までいろいろな成功例と失敗例を見てきたが、失敗しているところはだいたい無駄な手間をかけて品質を落とすという悪影響をしでかしている。
○ハイテクの極みの仕事のはずなのに、中身はかなりローテクなのだな、これが。
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