星から欠けたのは一滴の波だった
星から欠けたのは一滴の波だった。
ベットの上の白いシーツを濡らす。
すると畝る潮は渦を巻き
私たちは海底に向けて引き寄せられる。
息を忘れ光も届かず思考は水圧に押し潰され私たちは虚無になる。
すなわち宇宙の一部になる。
そこに産まれた星から欠けたのは一滴の波だった。
夜は一層深くなり歩道は細く長く、街灯に照らされた霧雨だけが心の所在を明らかにした。
瞼を閉じると時は素早く過ぎてしまうので私は眼を開き時間を止めるだろう。
何も動かず、何も聞こえないので私は私を疑うが、私たちは確かだった。
しかし永遠から切り離された一瞬の刻みの上である事も確かだったので、押し寄せる大量の時に押し流される。
流れはあまりに強くあまりに尊く
気がついたら私は一人であの砂浜に座っていた。
いつものように座っていた。