ダンボール
今朝ダンボールに入れられて届いたあなたの悲しみはあなたの匂いがした。
黒い山の向こうから銀色の海を越えて、ただ頑なに私の元へ届けられた。
(想いは届かず)
ジップロックの中でさえ新鮮に保たれなかった悲しみがトグロを巻いて私を睨むので
私の体はベトベトした脂汗にまみれ動くことすら危ぶまれた。
肉は石膏のように硬く固まり、逆に心臓だけがよく動いていたので
私を生かす心臓は私のモノではなく、胸中に住む別の生き物の様。
醜いエイリアンのような姿でありながら人の温か さのすべて。
痛い程に感じていた愛も悲しみも心臓のものだったので
私はつい笑ってしまった。