岩 | ツリース フィールド

世の中から

かわいた秋のような

誰かをしのんだ風が吹き込んで


人々が金色に光る稲穂ならば

私は黒い岩になりたい。


大それたものでなくてよい。

誰にも気づかれず


風がそよぎ一面は金色の海原になると

私はその海底深く、静かにうずくまるだろう

まるで深夜のバス停のように

誰にも求められず


ただし目は閉じないでいたい。

耳も塞がないでいたい。

もはや言葉は風に奪われたとしても

岩の心は岩のように

誰にも伝えず


ただただ重力に身をまかせて

ひっそりと

重く