
東側、西側をと家の番地を見ていると、ふと島袋君が僕らを招いている男の人を見つけた。
それと同時に、店頭にある写真を見つけたのだった。
彼は、「ああ君、ここが遊郭なんだ」と言うので
すぐに引き返して電車道に近い東側の小さな町に入っていった。
そして、数歩も歩いた頃 突然
ゴーッ
という
物音
が、する
かと
思うと
もう足の下が
モクモクと揺れだした。
その時、僕は直ぐ「おや!君、地震だよッ!」と言って
広い町に引き返し、尚 電車道へ出た。
地震は急激だった。
もう、もくもく ガタガタ、とヒトは裸足になって飛び出し、
小さな子供は 僕らの所へ寄ってきて掴まり、
また、地に這う者もあって、
もの凄い音は益々激しくなって
ガラス戸の割れる音、瓦の落ちる音、
そして、僕らの前にあったコンクリートの家が
さながら暴風に吹きまくられた、六月頃の麻のように揺らいで
陳列棚の菓子などが歩道に飛び散った。
僕は、「君!落ち着いていたまえ、慌てると危ないから!」
と言ったんだが、
島袋くんの態度が、もう狂人のようで 顔色は一寸悪かった。
僕は、
僕の様子が どうだったかは知らない。
続く
(一部、読みやすいように 文章、文体を変えてあります。)
