【書家としての洗礼】 |    書家 片山諭志 オフィシャルブログ

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人の人生を変えるのは人



私の書家人生の中で唯一起きた
とあるエピソード・・・



今まで色んなイベントやお店、会社などで
書のメッセージを書かせて頂きましたが




そこで出逢ったほとんどの方々には


褒めて頂いたり


共感して頂いたり


感動して頂いたり


してきました




その一つ一つがとても励みになり
自分の自信にもなりましたが



唯一、たった一人の方だけに



罵声と批判、、、、




いや、叱咤激励をされたことがあります



実は「書家」と名乗り始めたのは
活動を始めて2年目の秋頃からで



その頃の私は毎週末の夜に
金沢の片町(北陸一の繁華街)に
繰り出して路上で書いてました



ある日のこと自転車に乗った男性が

私の前に止まりじーっとこちらを

覗いていました



見るとかなり年配のおじいさん


時間は23:30頃だったので


こんな時間におじいさんが繁華街を!?


と思った瞬間、、、、



超!上から目線で


「あんた○○書けるか?○○知っとるか?」


と聞かれ



うわっ、面倒くさ~と思ったので



「書けません!分りません!」


とハッキリ答えたら



「そんな事も知らんのか!筆と紙あるか!」



とさらに面倒くさい事を

言ってこられたので 笑



「ありません!!!」



(どうみても目の前に何本もあるやーん 笑)



とさらにハッキリ答えたら


自転車を降りて目の前に座り


「じゃあ書いてみろ!!!」と



だーかーらー

書けないし知らないって言うてますやん 

もう早く帰ってくれ〜 笑



という心の声を我慢して


ご丁寧に拒ませて頂きましたが
あまりにもしつこいので



大切な筆と紙を渡し 笑


好きなように書いてもらいました


そんなに上手くなかったけど 笑



氣が清々したのか、帰り際に


「これ位覚えとけよ!」


と言って去って行かれました



私も清々しましたが 笑


聞かれた事は書の専門的な内容でしたし

問われた言葉も仏語である「無量寿」



書家とすれば当然答えれるはずのものです



私は書家として試されているなと

分かっていました



ただ内心では答えられず情けない自分を
隠すために抵抗していました



この出来事をきっかけに、私は本格的に
書に向き合い始め、独学で臨書を学び
さまざまな展覧会などにも足を運ぶように
なりました



どんな分野でもそうですが


助言、指導、指摘して頂ける人が

いるからこそ氣づきがあり成長できます



その後、あのおじいさんには一度も
会った事はありませんが



書を愛し、書に誇りを持った方
だったのかも知れません



今では本当に感謝しています
 



私の中では今でもずっと
忘れられない大切な

出逢いの一つです♪