ドラマや映画だけでなく、舞台でもご活躍の中村倫也さん!

本日は舞台『残酷歌劇 ライチ⭐︎光クラブ』のご紹介。

ですが。


な、な、な………
なんかすごいものを見てしまった………
(※パニック)

先にお伝えしておきますが、
こちら、15禁ぐらいの作品と思われます。

スプラッタ(内臓とか出てきます)と、
エロス(かなり露骨な性描写あり)と、
同性愛的表現(すごく露骨な性描写あり)
が苦手な方は閲覧要注意。

しかし、倫也さんのつやつやの真っ赤なルージュから終始目が離せなくて瞬きと呼吸を忘れる作品に仕上がっております。

何だろう、あの妖しい悪魔的な美しさ。
メンタルやられるエロさ何。
てか、結婚してくださ⭐︎×△$………!

うーんと。

とりあえず作品紹介する!!(最後の理性で我にかえるw)

【作品紹介】
螢光町という工業地帯の街の地下にある少年たちの秘密組織(基地)光クラブ。常川 寛之(中村倫也)はそのクラブの独裁的リーダー・ゼラ。

ゼラは美に執着し、大人を醜いものだと憎み蔑んでいる13歳の少年。ある占い師の予言「14歳で死ぬか、30歳で世界を手に入れるか。鍵を握るのは1人の少女だ(やや翻訳)」という言葉に心を動かされ、いつしか恐ろしいマシン開発と世界征服に突っ走り始める異端児。この物語は、そんなゼラと彼を慕う仲間たちのグランギニョル(=荒唐無稽で血生臭い芝居)である。

クラブの創設者はメンバーの1人、タミヤ(玉置玲央)だったが、転校生として途中から仲間に加わったゼラが組織を実質乗っ取って独裁者として君臨するに伴い、方向性を大きく転換。「ライチ」と名付けられたマシン=人造人間(皇希)を壮絶な(それはもう壮絶な。メンバーの眼球をくり抜くなど、およそ正気の沙汰とは思えぬ)労力を払いながら完成させ、このマシンを駆使することで世界征服を図ろうと目論むように。

マシンを覚醒させることに成功した(※何気に凄い)光クラブのメンバーたちだったが、世界征服の鍵を握ると予言されたカノン(七木奏音)という美しい少女の登場(※厳密には拉致監禁)により、徐々にメンバー間に亀裂が生まれ、歯車が狂いだす………(のかな。とっくに狂ってたようにも思う)。


劇冒頭に先生が歴史の話をしますが、ここの話がこの物語のすべてな気がする……。



なお、作中登場するエラガバルス帝(通称)は実在のローマ皇帝で、暴君ネロよりヤバイといわれた(人類史上最悪と言ってる人もいる)独裁者!Σ('◉⌓◉’)
14歳で帝位についた少年皇帝です。
自らが規定する美に異様にこだわり、女装して女后と呼ばせたがるだけでなく、男性との性交渉も男娼のように頻繁にもっていたといわれています。しかも彼はサディストでマゾヒスト。罪人の腸を切り落として動物に食べさせたとか、わざと痴態を晒して恋人(男)に叱責されるのを喜んだとか、奇怪な逸話に事欠かない人物だったようで、ついた渾名が退廃皇帝………。

結局彼の統治は長くは続かず、在位4年、わずか18歳で亡くなります。死にざまについては諸説ありますが、一説には本編で語られている通り、便所に逃げ込んだところを惨殺された、とも。
その後は、斬首の上、服を剥がれ、市中引き回しの末、遺体は川に捨てられた、といわれています。なんとも壮絶な生涯……。

彼の美にこだわった生き様と、少年で帝位を得て大人になることなく死んだその生涯にゼラは強く影響され退廃的な選択をしてしまう、ということが作中で説明されています。

一種の、タナトフィリア(死性愛)なのかな。

ちなみにこのゼラという呼称はゼラチンペーパー=カラーフィルターが語源のよう。「半透明でいろいろな色。すぐに燃えちゃう。きれい」と本編でジャイボ(吉川純広)が命名しているシーンがありますのでご注目を(歌にも出てくるのでよく聞いてみてくださいまし)。


見どころ!

はじまって数分の光クラブ登場シーンの一糸乱れぬキレキレのダンスが圧巻で、一気に引き込まれます。

ちなみにダンスチーム・東京ゲゲゲイのねーさんたちのダンスはさらに神がかってます。光クラブのメンバーに1人異様にダンス上手いなと思った人がいたのですが、その人もゲゲゲイの人だった。

続く、光クラブの厳しい規律をゼラの号令で全員が読み上げるシーンも異様な迫力!

「……63手後が黒のナイトでチェックメイト」

ゼラはチェスの達人なのでチェスで先の手を読むように未来を予測するのですが、挑戦的で自信に満ちた目と艶やかな声!
偉そうに足を組んで中央の椅子に座ってるだけで、すごい貫禄!(ほんとに13歳か?)
発言の力強さや自信に満ちた振る舞いに周囲の人間は強い憧憬を抱いており、こうやって独裁者は人の心を操っていくのだなという怖さを感じさせるシーン。

2曲目の「僕の遊園地」のラスト、2回目の「美しく」という歌詞を歌う倫也さんの表情が怖美しいので是非ご注目を。

そしてゼラ様のエロスなシーンがエロ美しすぎて最早神々しかった……。うるうるのおめめと艶々の唇とすべすべのお肌とか、誰ですか、神ですか。

独裁者は決まって内面が脆く、不安と恐怖に心を支配されているものでありますが(外に見せる自分はアンチテーゼなんだよね。わたしの卒論のテーマや!)後半はそれが顕在化する……。

機械であるライチがカノンちゃんの優しさと正しさで人の心を覚えていくという感動的な物語と並行して、愛憎渦巻きまくり、こじれにこじれた光クラブは恨み恨まれ殺し殺され、壮絶すぎる終幕へと突き進んでいくのでございます……(あれ、作品紹介2回してる?笑)

そして個人的にはDVDの特典映像内で、「ライチとカノンが人間同士じゃないとわかりあえないんだと思わせる台詞に泣きそうだった(すごい翻訳)」と言った倫也さんの言葉がさらにずーんと考えさせられる。

たしかに、価値観を押し付けるとも言える行為。自分と同じもの、同じ考えであってほしい、というその願いは、ゼラやエラガバルスと何が違うんだろう(哲学の闇に落ちるからこの辺でやめときましょうww)


そしてそして。

ラストはひたすら血の雨が降り注ぐ阿鼻叫喚の地獄絵図!!!!(終盤はどのシーンを語ってもグロすぎるので詳細を語るのは差し控えさせていただきます。。)

凄惨で凄絶で心身共にやられる。。
とにかく地上波ゴールデンでは絶対に絶対に流せない禁断の物語………。

倫也さん、後半ほとんど狂い叫んでるけど、
あのずぶ濡れの中で狂気の沙汰で怒鳴り続ける迫真の演技が命すり減らしてそうで辛い………(でも倫也さんは役をプライベートに引き摺らないとおっしゃってたので大丈夫と信じてる!)

てか、舞台であんなにどしゃぶりの雨(厳密には浸水?)を再現してるの初めて見た!
すごい演出!


そして薔薇。


ラストソング、ずぶ濡れ血塗れの姿のまま、憔悴しきってみんなで歌うメインテーマがもう苦しくて悲しくて見てられない………(物悲しいピアノのイントロも歌声も心底素晴らしいのですけども)。。

そんなメンタル崩壊な中、カーテンコールでございます(;ω;)


救いは何処や………




エラガバルス帝の最後について、
悲惨な彼の死は、それ以上に悲惨な彼の後世から彼を救ったのかもしれない、と言及されている歴史家の方がいました。
あの時点で死んでいなかったら、その後さらに何十年も奇行を繰り返し、さらなる汚名と絶望を見たのでは、と。

これを読んだ時は、そうですね!とは言えなかったけど、

今は、そうかもなぁ、とも思います。



嗚呼、鬱々w



というわけで。笑
いかがでしたでしょうか(これちゃんと番宣になってるのか?笑)。

でもでも私は素晴らしい舞台だと思いましたよ!
上記の通りのいろんな注意事項が大丈夫な方は是非見ていただきたいです!

いろんな側面から賛否ある作品なんだろうなと思いつつ、すごく心に刺さる作品。

舞台は芸術だから、良くも悪くも人の心を動かせる作品はわたしは尊いと思ってる!

おわる!!(異様に長かったw)