庭のムクナマメの葉っぱの蔭に、
他とちがう色が見える。
葉っぱをどかしてみると、花が咲いていた!
房状に、濃い紫色の花。
やっぱり葉っぱを見てて思ったが、葛に似ている。
ツルが太くて、いかにも強そうである。
あまり世話をしなくても、これなら他の草に負けなさそうだ。
いっとき放ったらかしていて、周りの草の間に、
細いツルが伸びているのを見て、
ああ、実はならんかもしれんなあと思っていたが、
今は庭で一番勢力の旺盛な植物である。
この様子なら、実をならせてくれるだろう。
開花には条件がある。気温とか水分とか日照とか。
開花の前に、タネからの発芽もそうだ。
野菜のタネだって、ホームセンターに売られてる時、
袋の中で勝手に発芽することはない。
まず水が要る。
野菜のタネを買って来て、
光を好むタネと、そうでないタネがあるということも知った。
気温も大きな条件だ。
小さいポットにトマトのタネを蒔いて、
ずっと待っていたが、なかなか芽が出なかった。
ああなんか、失敗したのかな、と思っていたが、
気温が上がって来て、何度だったか覚えないが、
一日の最低気温がある温度より高くなった時、
一斉に発芽した。
こんなにも気温というのは重要な要素なのか、と思った。
そう言えばサクラの春の開花や秋冬の紅葉、落葉も、
日当たりがいいとこと、
何かの蔭になって、日の当たる時間が比較的に短い所とでは
始まる時期がちがう。
例えば空から日本列島を見て、早送りすればだいたい南からだんだんと
サクラが咲いて行くのが見えるんだろう。
逆に紅葉は北から始まる。
サクラは花が咲いてから葉っぱが出るので、
北に行けば行くほど緑の葉が茂っている期間が短いことになる。
当たり前と言えば当たり前だが。
トマトの芽と一緒で、条件が揃えばサクラでもムクナマメでも
開花する。
ボールドウィンという人が、
「バラの蕾をドライバーでこじ開けてはいけない」
と言っていた。
あったかくなれば放っといても勝手に咲くのである。
ムクナマメは勝手に咲いた。
トマトも芽が出た。
逆にツバキなんかは寒くならんと咲かん。
ムクナマメは強いので草に負けないで勝手にツルを伸ばして花芽をつける。
世話しないと草の蔭になってしまう野菜もある。
園芸品種のバラは必要な世話がより多い。
その辺に生えている野バラは人間の世話が無くても花を咲かせる。強い。
世話が必要な植物の世話には、
ドライバーでこじ開ける必要のあるような、
緊急手術などの処置が必要な時もあるかもしれないけれど、
気温を上げたり下げたり、水やったりした方が、
蕾の方も気持ちよく開けるんではないか、
というのを想像して、人間である自分の生活上で
応用すると言うか、
なんかそういう風に工夫することがあるだろうかと
考え始めた。
喩え話だけども、得意なことを伸ばしたりだとか、苦手なことをちょっとマシにしたりとか、やり方を考える時の着火材にはなる。
