僕は学生のころ精神的に落ち込んでいたことがあり、

いくらか所謂鬱のようになっていた。

それで、近くの精神科というか、心療内科に行った。

そこで診てもらって、薬を出してもらった。

たしか、脳のシナプスの伝達物質の放出、か何かに作用する薬で、抗鬱薬だったと思う。

 

もうひとつ、僕は子供のころから世話になっていた鍼灸の先生のところにも行って診てもらった。

先生の見立てでは、あんたは腰を治さんと、ということであった。

先生によると、鬱の患者さん診てると、みんな腰がよくない、とのことであった。

それで先生理論では、腰の具合がよくない状態で動き回ったりたくさん仕事したり、がんばり過ぎるとさらに腰を痛めてしまうので、あまり動き過ぎないように、身体が、心臓のポンプの出力を落とすのだそうだ。それで、元気の出ない状態にして、あまり動き回らないようにしている状態なんだ、と言っていた。

 

今書いていて思ったが、どこに主語があるのかわからなくなる。「身体が」とか「腰が」とか「心臓が」とか。先生の話が本当なら、普段意識のある時に思ってる「僕は」というのも、数ある主語のひとつであり、自分を作っている、運営している主語と言うか主体は他にもあるのかもしれない、その、他の部分も「主体」として扱う意識をもつこと、みたいなのを考える。

 

当時僕はアタマの中がゴチャゴチャしていて、いつも絶えず僅かに混乱しているような感じがしていたのだが、先生によると、あんたは身体ば治さん限り、考えはまとまらん、と言われた。

 

先生に心療内科のことを話すと、薬で脳に働きかけてハイにするんじゃなくて、

身体を治して内側から自然とハイになるようにした方がよかとわしは思う、とのことであった。

 

内側とか自然とか、精神医学も鍼灸もよく知らない僕にはよくわからない言葉であったかもしれないが、僕は子供のころから世話になっている先生を信頼していた。

そして精神薬を飲み始めるとだんだんやめられなくなる、という話も聞いていたので、心療内科に行くのはやめた。

抗鬱薬を捨てて、鍼に通うことにした。

 

先生は、躁とか鬱は、脳の病気ではなく心臓の機能不全だ、と言っていた。

 

それで鍼に通いつつバイトしつつ、療養した。

やっぱ時間をかけて足腰を養う、みたいなのは大事なのかもしれない。

 

 

先生は、精神的肉体的にきつい時ちょっと飲むといいと、

「救心」という薬を教えてくれた。

和漢薬というやつだ。

 

僕は救心を買って、飲んでみた。

効いた。

飲んでものの数分で効き始めた。

指先の毛細血管が開いたような感じがして、指先まで血がシュワシュワ巡って行くような、感じがした。

そして呼吸が大きくなる。心臓が強く打って酸素がより多く必要になるからだろうか。

僕は普段あまり薬を飲まないので、薬が効きやすいのかもしれない。

 

それ以来、きつい時、たまに救心を飲むようになった。

身体がきついかのか精神的にきついのかわからないが、ああ、心臓の出力が落ちてるな、と思った時、寝る前に二粒飲む。

ソッコーで効き始める。息が大きくなり、身体なのか意識なのか、ちょっと楽になると言うか、「神経」の緊張が和らぐみたいな感じがする。その時に、ああ、なんか緊張してたんだな、と思う。

 

このごろYouTube見てたら、救心の宣伝が流れて、なんか自律神経にも作用すると言ってたので、交感神経とか副交感神経とか、そういうのを調整する効果も考えられてるんだな、というのを最近知った。

あの「緊張が和らぐ」感じも、そういう効果なのかもしれない。


しかし、もうちょっとよく調べてから飲もう、と思った。説明書もあまりよく読んでないのだな。先生の話でも、なんでも鵜呑みにせずに自分でよく考えてからにせなな、と反省した。


 

 

 

先生は救心は特に副作用がない、まああるとすれば、安静にした方がいい時に元気になって動き回り過ぎて後からダウンする、というのがあるかな、とか言っていた。

救心も薬だから、飲み過ぎるとよくないだろうが、たまに飲むと楽になるので、

寝る前に飲む。

 

救心は黒い小さな粒の丸薬のとか、救心カプセルていうのとか何種類かあるみたいだが、僕は丸薬のを飲んでいる。

 

しかしだいぶ高い。ちーさい丸薬一粒でたしか3、40円くらいではなかったかな。

それも副作用と言えば副作用だ。



ネットで調べてみたら、発疹が出る、とか、吐き気嘔吐など、副作用が書いてある。こういう書いてある症状、身体の反応をどう解釈するといいのかわからない僕は医者に相談するしか、なかなかそれを理解する方法はあまりないかもだが、もちっと調べてから飲もう、とやはり反省した。


しかし救心はけっこう効く。