今木々の紅葉・黄葉がきれいである。
うちの近所ではサクラがきれいだ、紅葉が。
サクラは花だけじゃなくて紅葉もいい。
緑色の葉っぱが徐々に黄緑色になり、黄色くなり、
オレンジ色になり、赤くなり、落ちて行く。
葉っぱの養分を枝の方に引き取ってしまい、
身体の中に貯蔵する。表面積を減らして
寒さに対応するという働きでもあるのだろう。
そして来春、今年の4月ごろから今まで、
8ヶ月分くらいの光合成の蓄積を放出するのだ。
花が咲くとハチが蜜を採りに来る。
サクラは大事な蜜源植物らしい。
植物は花を咲かせるという働きには多くの
エネルギーを使うらしいが、サクラは開花の時、
8ヶ月のうちの何ヶ月分を使うのだろうか。
ここ数日だいぶあったかい。
昨日は祖父の家に行こうと18時ごろ
玄関を出た時、ぬくっ!と思わず言ってしまった。
ほんとうに12月かと思うくらいあったかかった。
それで、毎年冬が終わって、春の、
その年の、最初に気温がけっこう上がった日の
よろこび、あのルンルン、てなる、あのうれしさに
似たものをちょっとだけ感じた。
僕ははっきり言って冬に苦手意識がある。
一年中夏ならいいのにと冬になると思う。
しかし、冬にならなければ、ああ、あったけえ、
という、あのうれしい気持ちは生じないであろう。
なんか、冬ならではの味わいみたいなやつを
発見し、感じたいと思って来た。
一昨日は近くの街路樹のイチョウ並木の、
落ち葉の掃除を業者さんがしていた。
街路樹、公園の木は、落ち葉の掃除がたいへんだ。
同じ道路沿いのイチョウでも、場所によって、
日当たり具合、風当たり具合がちがうから、
黄葉の進み方がちがう。落葉のタイミングが
ちがう。道路のこっち側と向こう側でもちがう。
まだいっぱい葉を着けている木もあれば、
ほとんど丸裸になっている木もある。
時期の差がある。ラグがある。ラグという言葉が
好きだ。
イチョウ並木沿いの団地の人が、
箒とちりとりで集めて、45リッターくらいの
ポリ袋に入れて、自分とこの駐車場に落ちた
葉っぱを掃除していたが、あれでは追いつかんだろ、
と思った。
あんくらいいっぱい落ちたら、ブロワと熊手と
テミとパッカー車が活躍する。
ブロワは空気を出して葉っぱなどを吹き飛ばして
掃除出来る機械で、パッカー車はごみ収集車だ。
…ブロワもパッカー車も無い時代はどうして
いたんだろうか。今度訊いてみよう。
イチョウを植えなければ、管理コストはゼロである。
葉っぱの掃除も剪定もしなくていい。
先月、この並木のうちの1本、居酒屋さんとか
が入っている建物の前のイチョウが伐採された。
知人の植木屋さんが、1本剪定し、1本伐る仕事を
したと教えてくれた。
新しく入って、開店した店があるし、
イチョウがあると木の下が暗くなったりする
からではないだろうか。お店の印象が変わる。
全部伐ってしまえば、来年から掃除の手間は
無くなる。
このイチョウ並木が全て消えたらどうだろうか、
と想像する。「スッキリ」するんだろうか。

