9月の終わりごろの朝、会社のメールボックスに、取引先から従業員が亡くなられたとの、お知らせメールが入ってました。
40代後半ぐらいの、社長の右腕的存在の女性管理職でした。
お通夜で伺ったんですが、1年半ぐらい前に初期の婦人科系の腫瘍がみつかり、ご本人が強い意志で自然治癒を選択したそうです。
4か月ぐらい前から、体調が悪く自宅勤務だったそうです。そのころまでは仕事でのやりとりがあったんです。
その後症状が悪化し、病院に手術を相談した時には腫瘍が大きすぎて、小さくしてからじゃないと手術できないといわれ、選択肢として示された緩和治療は選ばず、治療のための入院をしそのまま亡くなったそうです。
聡明で信頼できる方でした。同僚からも尊敬されていて、彼女の部下たちのお別れの言葉(クリスチャン式)はどれも悲痛なものでした。
私の叔母は乳がんで自然治癒を選び、診断から10年以上生きましたが、全身に転移してからの痛みには壮絶なものがありました。 今回の彼女も同じような苦しみを味わったのかと思うと、叔母を見ていたときのつらさがよみがえります。
初期のガンは標準治療を行えば、5年後生存率はとても高いです。学術文献等で報告された大規模臨床試験や疫学調査の解析で、もっとも有効だとされたものがガイドラインとなります。 生存率が高いから標準治療なのです。
患者ご本人のお考えもあるから、何かを強制はできませんが、初期のガンで副作用等の危険がなければ、私なら標準治療を選択します。(中期以降は単純じゃないと思いますけどね)
症例による根拠がある治療
亡くなったかたは、病院や医学部へもサービスを提供するお仕事をされていましたので、Evidence based medicineへの理解レベルも高かったと思います。
自然治癒を信じてらしたことは尊重されるべきですが、くやしさがなくなることはありません。 消化しきれない気持ちを持て余しています。