YRC IMADOKI・REPORT VOL.16(2015年5月15日)
2015年 公示地価の動向
2015年公示地価
2015年の公示地価が発表されました。全国平均では住宅地は下落幅が縮小、商業地は7年ぶりに下落から横ばいに転じました。

出典:国土交通省 国土数値情報データ参照
山田不動産コンサルティング㈱ 作成
全国で最も上昇率が高かったのは金沢です。北陸新幹線が開通、再開発が進んだことが大きく影響し、昨年と比較して17.1%上昇しました。
日本で最も価格が高いのは、東京・銀座4丁目山野楽器本店前で、前年比14.2%上昇、価格は一坪あたり(畳2帖分)で1億1,154万円です。

出典:一般財団法人資産評価システム研究センター
「地価マップ」参照 山田不動産コンサルティング㈱ 作成
住宅地の上昇率の上位10位はすべて福島県いわき市です。これは福島の原発事故による帰宅困難地区からの移転需要によるものです。
三大都市圏の動向
三大都市圏の動向をみてみましょう。
<東京圏>
商業地は東京圏全体で昨年比2.0%上昇しました。東京圏の中でも、東京都の上昇率は前年比2.9%、上昇幅は0.6ポイント増加しましたが、埼玉県の上昇率は0.5%で上昇幅は前年比横ばい、神奈川県においては前年比1.4%上昇しているものの、前年より-0.1ポイント上昇幅が縮小しております。これは都心回帰の現象によるものと考えます。東日本大震災前のオフィス需要は「コスト削減」と「人員拡大」を両立させるため、賃料の高い都心のオフィスから賃料の安い郊外への移転の動きがありましたが、震災以降は、BCP(災害や事故などの緊急時の事業継続計画)を意識し、耐震性を求めハイスペックオフィスに移転する動きが増加、不動産市況が改善するにつれその需要は「立地改善」「耐震性改善」「人員拡大」へとシフトしています。そのため、都心の大規模なハイスペックのビルに需要が集り、賃料は緩やかに上昇傾向にあります。賃料の上昇は地価の上昇に繋がります。
ところで、今回の全国商業地の上昇率上位10位のうち、半分を銀座が占めました。銀座は日本で一番最初に地価が上昇する場所であり、地価動向を象徴
する場所です。その銀座が大幅上昇を見せているため、今後他のエリアにおいても上昇が期待されそうですが、引き続き都心回帰の傾向により、東京23区内であっても、上昇する場所、上昇しない場所と二
極化が進むのではないでしょうか。
住宅地はどうでしょう。相続税対策や、日銀による異次元金融緩和政策による空前の金余りにより、湾岸エリア等のタワーマンションの売れ行きは好調です。しかしながら、依然として建築コストの高騰により、新築マンション価格は上昇、それに引っ張られる形で中古マンション価格も上昇しています。一方、景気回復がうたわれていますが、一般家庭の所得は増えていないのが現状です。マンション価格の上昇と、昨年の消費税増税により、住宅購入に二の足を踏んでいる世帯も多く、郊外のマンション需要は落ち込んでいます。その影響か、住宅地の地価は昨年に引き続き上昇したものの、その上昇幅は縮小しています。
<名古屋>
商業地、住宅地ともに2年連続の上昇となりました。昨年全国最大の上昇率だった名古屋駅西口は、今年は全国2番目の上昇率で、リニア中央新幹線による開発の影響が続いていることがうかがえます。円安は自動車産業に追い風で、自動車産業が集積するエリアと名古屋中心地にアクセスしやすい住宅地周辺の地価の上昇をけん引しています。
<大阪圏>
商業地は2年連続の上昇となりました。外国人観光客に人気の心斎橋周辺、道頓堀周辺では前年比10%を超える上昇率、京都市中京区はホテルの開業が相次いだこともあり前年比4.0%上昇しています。
住宅地においては上昇地点が増え、昨年まで下落を続けていた地価は横ばいに転じました。
<地方圏>
地方圏において上昇が目立った都市は、仙台、広島、福岡といった拠点都市です。全国の商業地における上昇率上位5位に広島市中区堀川町、9位に広島市東区光町がランクインしました。中心地における商業施設の集積が進み、回遊性が高まったことや、駅周辺の再開発が要因となっており、地方圏においても中心部回帰の傾向が見られます。

出典:一般財団法人資産評価システム研究センター「地価マップ」参照 山田不動産コンサルティング㈱作成
しかしながら、地方圏全体では商業地・住宅地ともに下落幅は縮小しているものの7割弱もの地点において引き続き下落している状況です。人口減という根本的な問題を抱える地方圏においては、今後、ヒト・モノ・カネを呼びこむことが出来なければ、引き続き地価は下落し続けるのではないでしょうか。
海外マネーも地価上昇要因の一つ
海外の投資家から見て日本の不動産は、キャピタルゲインはあまり期待出来ないものの、土地が所有権であることや、他国と比較して利回りが高いこと、加えて円安による割安感もあり、東京オリンピックの開催決定を期に、急速に注目を集めています。目黒の雅叙園、丸の内のセンチュリープレイス、青山ビルといったここ最近注目を集めた大型取引の買い手はすべて海外ファンドです。こうした海外マネーの流入も地価上昇の要因の一つと考えます。
一方、国内の投資マネーも活発に動いており、不動産はその有力な投資先の一つになっています。活発な不動産取引は、今回の地価上昇と無関係ではありません。異次元の金融緩和の影響もあり、引き続き、不動産取引は活発に行われることが推測されます。
地価の上昇は三大都市圏から拠点都市へと波及し始めました。今後この上昇が他の地方都市へ広がっていくのかはまだ見えませんが、裾野は確実に広がっていくのではないでしょうか。
出典:国土交通省HP/国土数値情報
2015年 公示地価の動向
2015年公示地価
2015年の公示地価が発表されました。全国平均では住宅地は下落幅が縮小、商業地は7年ぶりに下落から横ばいに転じました。

出典:国土交通省 国土数値情報データ参照
山田不動産コンサルティング㈱ 作成
全国で最も上昇率が高かったのは金沢です。北陸新幹線が開通、再開発が進んだことが大きく影響し、昨年と比較して17.1%上昇しました。
日本で最も価格が高いのは、東京・銀座4丁目山野楽器本店前で、前年比14.2%上昇、価格は一坪あたり(畳2帖分)で1億1,154万円です。

出典:一般財団法人資産評価システム研究センター
「地価マップ」参照 山田不動産コンサルティング㈱ 作成
住宅地の上昇率の上位10位はすべて福島県いわき市です。これは福島の原発事故による帰宅困難地区からの移転需要によるものです。
三大都市圏の動向
三大都市圏の動向をみてみましょう。
<東京圏>
商業地は東京圏全体で昨年比2.0%上昇しました。東京圏の中でも、東京都の上昇率は前年比2.9%、上昇幅は0.6ポイント増加しましたが、埼玉県の上昇率は0.5%で上昇幅は前年比横ばい、神奈川県においては前年比1.4%上昇しているものの、前年より-0.1ポイント上昇幅が縮小しております。これは都心回帰の現象によるものと考えます。東日本大震災前のオフィス需要は「コスト削減」と「人員拡大」を両立させるため、賃料の高い都心のオフィスから賃料の安い郊外への移転の動きがありましたが、震災以降は、BCP(災害や事故などの緊急時の事業継続計画)を意識し、耐震性を求めハイスペックオフィスに移転する動きが増加、不動産市況が改善するにつれその需要は「立地改善」「耐震性改善」「人員拡大」へとシフトしています。そのため、都心の大規模なハイスペックのビルに需要が集り、賃料は緩やかに上昇傾向にあります。賃料の上昇は地価の上昇に繋がります。
ところで、今回の全国商業地の上昇率上位10位のうち、半分を銀座が占めました。銀座は日本で一番最初に地価が上昇する場所であり、地価動向を象徴
する場所です。その銀座が大幅上昇を見せているため、今後他のエリアにおいても上昇が期待されそうですが、引き続き都心回帰の傾向により、東京23区内であっても、上昇する場所、上昇しない場所と二
極化が進むのではないでしょうか。
住宅地はどうでしょう。相続税対策や、日銀による異次元金融緩和政策による空前の金余りにより、湾岸エリア等のタワーマンションの売れ行きは好調です。しかしながら、依然として建築コストの高騰により、新築マンション価格は上昇、それに引っ張られる形で中古マンション価格も上昇しています。一方、景気回復がうたわれていますが、一般家庭の所得は増えていないのが現状です。マンション価格の上昇と、昨年の消費税増税により、住宅購入に二の足を踏んでいる世帯も多く、郊外のマンション需要は落ち込んでいます。その影響か、住宅地の地価は昨年に引き続き上昇したものの、その上昇幅は縮小しています。
<名古屋>
商業地、住宅地ともに2年連続の上昇となりました。昨年全国最大の上昇率だった名古屋駅西口は、今年は全国2番目の上昇率で、リニア中央新幹線による開発の影響が続いていることがうかがえます。円安は自動車産業に追い風で、自動車産業が集積するエリアと名古屋中心地にアクセスしやすい住宅地周辺の地価の上昇をけん引しています。
<大阪圏>
商業地は2年連続の上昇となりました。外国人観光客に人気の心斎橋周辺、道頓堀周辺では前年比10%を超える上昇率、京都市中京区はホテルの開業が相次いだこともあり前年比4.0%上昇しています。
住宅地においては上昇地点が増え、昨年まで下落を続けていた地価は横ばいに転じました。
<地方圏>
地方圏において上昇が目立った都市は、仙台、広島、福岡といった拠点都市です。全国の商業地における上昇率上位5位に広島市中区堀川町、9位に広島市東区光町がランクインしました。中心地における商業施設の集積が進み、回遊性が高まったことや、駅周辺の再開発が要因となっており、地方圏においても中心部回帰の傾向が見られます。

出典:一般財団法人資産評価システム研究センター「地価マップ」参照 山田不動産コンサルティング㈱作成
しかしながら、地方圏全体では商業地・住宅地ともに下落幅は縮小しているものの7割弱もの地点において引き続き下落している状況です。人口減という根本的な問題を抱える地方圏においては、今後、ヒト・モノ・カネを呼びこむことが出来なければ、引き続き地価は下落し続けるのではないでしょうか。
海外マネーも地価上昇要因の一つ
海外の投資家から見て日本の不動産は、キャピタルゲインはあまり期待出来ないものの、土地が所有権であることや、他国と比較して利回りが高いこと、加えて円安による割安感もあり、東京オリンピックの開催決定を期に、急速に注目を集めています。目黒の雅叙園、丸の内のセンチュリープレイス、青山ビルといったここ最近注目を集めた大型取引の買い手はすべて海外ファンドです。こうした海外マネーの流入も地価上昇の要因の一つと考えます。
一方、国内の投資マネーも活発に動いており、不動産はその有力な投資先の一つになっています。活発な不動産取引は、今回の地価上昇と無関係ではありません。異次元の金融緩和の影響もあり、引き続き、不動産取引は活発に行われることが推測されます。
地価の上昇は三大都市圏から拠点都市へと波及し始めました。今後この上昇が他の地方都市へ広がっていくのかはまだ見えませんが、裾野は確実に広がっていくのではないでしょうか。
出典:国土交通省HP/国土数値情報