YRC IMADOKI・REPORT VOL.11(2014年5月26日)
~2014年 公示地価動向?~
今年も3月に公示地価が発表されました。東京・名古屋・大阪の三大都市圏の地価は、リーマン・ショック以降6年ぶりに上昇に転じました。東京オリンピックの開催決定や、異次元の金融緩和による低金利が好影響をもたらし、不動産市況は活況です。国内のみならず海外の投資マネーが流入していることも、地価上昇の要因の一つと考えます。
では、2014年の公示地価の動向を見てみましょう。
畳2帖で1億円
全国で最も高い地価は、中央区銀座4丁目の山野楽器銀座本店前です。銀座の地価動向は、日本の景気を写す一つの目安となっています。2014年は、1㎡あたり2,960万円、1坪あたり9,768万円でした。畳2帖分の面積で約1億円となります。前年比+9.6%も上昇しており、本格的な景気の回復がうかがえます。
上昇率と下落率の上位
今年最も上昇率が高かった住宅地は宮城県石巻市です。前年比+15.1%上昇しており、3年連続の1位です。被災地の住宅需要は変わらず活発なため、高台の住宅地は昨年に引き続き上昇しています。一方、最も下落率が大きかったのは大島です。昨年の台風で甚大な被害を受けた大島の元町が、前年比-24.1%と大幅に下落しました。
また、地方圏の住宅地の下落率上位に静岡県が多いことが気になります。これは南海トラフ巨大地震による津波の懸念が影響している様です。この類の懸念を拭い去ることは不可能に近く、対策に頭を抱えている自治体も少なくありません。地価上昇率の上位が被災地で、下落率の上位に今後津波が懸念される地域が入るという、皮肉にも地震大国であることを象徴する結果になっています。
三大都市圏の動向
<東京圏>
東京都では、住宅地・商業地とも千代田区・中央区・港区の都心3区の上昇が目立ちます。東京圏の住宅地上昇率1位~4位を独占したのは中央区の勝どき・佃・月島といったベイエリアで、前年比+10%超上昇しました。現在、ベイエリアの高価格帯のマンションは人気が高く、オリンピックや株高が影響している様です。
一方で、住みたい街人気ランキングで常に1位・2位を争う吉祥寺は、駅ビルの建替えが好影響をもたらし、更に住宅需要が増している様です。立川市も再開発により住宅地・商業地とも上昇しています。駅周辺で人気の大型商業施設の開業が続いていることも関係しているかもしれません。
神奈川県は2年連続で商業地が上昇しています。横浜市と川崎市はすべての地点で上昇あるいは横ばい、下落地点はゼロでした。昨年、前年比+10.5%の大幅上昇で話題に上った川崎市の武蔵小杉駅前は、今年も前年比+8.7%と大きく上昇しています。現在再開発ラッシュの武蔵小杉は、今後も地価の上昇が期待されますが、この先人気の街として不動の地位を築けるかどうかが鍵となりそうです。
<名古屋圏>
名古屋圏の商業地は6年ぶりの上昇です。特に名古屋駅周辺は、2027年にリニア新幹線が開通することが大きな要因になっている様で、前年比+12%と全国最大の上昇率です。また、トヨタの関連会社が集積する西三河地域も上昇しています。これは円安の影響により輸出業を中心とした自動車産業が好調という点が、地価の上昇に好影響をもたらしていると考えます。
<大阪圏>
住宅地は6年連続下落しているものの、商業地は6年ぶりに上昇しました。要因は再開発です。3月に開業した日本一高い複合ビル「あべのハルカス」の阿倍野区は4.3%の上昇、隣接する天王区も上昇しました。一方、JR大阪駅北側‘うめきた地区’に 昨年4月に開業した「グランフロント大阪」。この周辺は前年比+8%の上昇です。大阪は話題の大規模な再開発が地価の上昇をけん引しています。

広がる地域格差
三大都市圏では過半数の地点で上昇しましたが、地方圏では下落地点が7割以上を占めます。地価の上昇は、その要因があるところに限定され、反転のきっかけがない地域は、この先景気の動向にかかわらず、自然体で上昇に向かう可能性は極めて低いのではないかと考えます。そして、上昇する地域と下落する地域の格差はますます広がっていくのではないでしょうか。
景気は回復し、東京圏では不動産取引にやや過熱感が見られ、バブルを懸念する声もありますが、地価はそう簡単には高騰しないと考えます。現在の地価水準とバブルの頃の地価水準を比較しても、バブルの頃がどれだけ異常値であったかが分かります。また、建築資材の高騰や職人不足も、地価の上昇を抑制する理由の一つにあり、これらの問題は今日明日改善するものではありません。建築コストの高騰は物件の価格に反映されます。景気は回復したとはいえ物件価格の上昇に一般消費者がついて来られるかは疑問です。これらの懸念事項を鑑みると、今後地価は急激に上昇するというよりも、オリンピックに向けてゆっくりと緩やかに上昇に向かっていくのではないでしょうか。
全国平均と東京の地価推移

東京圏の住宅地上昇率ランキング

出典:一般法人土地情報センター 都道府県別地価公示
国土交通省ホームページ H26地価公示
2014.3.18,2014.3.19日経新聞記事
~2014年 公示地価動向?~
今年も3月に公示地価が発表されました。東京・名古屋・大阪の三大都市圏の地価は、リーマン・ショック以降6年ぶりに上昇に転じました。東京オリンピックの開催決定や、異次元の金融緩和による低金利が好影響をもたらし、不動産市況は活況です。国内のみならず海外の投資マネーが流入していることも、地価上昇の要因の一つと考えます。
では、2014年の公示地価の動向を見てみましょう。
畳2帖で1億円
全国で最も高い地価は、中央区銀座4丁目の山野楽器銀座本店前です。銀座の地価動向は、日本の景気を写す一つの目安となっています。2014年は、1㎡あたり2,960万円、1坪あたり9,768万円でした。畳2帖分の面積で約1億円となります。前年比+9.6%も上昇しており、本格的な景気の回復がうかがえます。
上昇率と下落率の上位
今年最も上昇率が高かった住宅地は宮城県石巻市です。前年比+15.1%上昇しており、3年連続の1位です。被災地の住宅需要は変わらず活発なため、高台の住宅地は昨年に引き続き上昇しています。一方、最も下落率が大きかったのは大島です。昨年の台風で甚大な被害を受けた大島の元町が、前年比-24.1%と大幅に下落しました。
また、地方圏の住宅地の下落率上位に静岡県が多いことが気になります。これは南海トラフ巨大地震による津波の懸念が影響している様です。この類の懸念を拭い去ることは不可能に近く、対策に頭を抱えている自治体も少なくありません。地価上昇率の上位が被災地で、下落率の上位に今後津波が懸念される地域が入るという、皮肉にも地震大国であることを象徴する結果になっています。
三大都市圏の動向
<東京圏>
東京都では、住宅地・商業地とも千代田区・中央区・港区の都心3区の上昇が目立ちます。東京圏の住宅地上昇率1位~4位を独占したのは中央区の勝どき・佃・月島といったベイエリアで、前年比+10%超上昇しました。現在、ベイエリアの高価格帯のマンションは人気が高く、オリンピックや株高が影響している様です。
一方で、住みたい街人気ランキングで常に1位・2位を争う吉祥寺は、駅ビルの建替えが好影響をもたらし、更に住宅需要が増している様です。立川市も再開発により住宅地・商業地とも上昇しています。駅周辺で人気の大型商業施設の開業が続いていることも関係しているかもしれません。
神奈川県は2年連続で商業地が上昇しています。横浜市と川崎市はすべての地点で上昇あるいは横ばい、下落地点はゼロでした。昨年、前年比+10.5%の大幅上昇で話題に上った川崎市の武蔵小杉駅前は、今年も前年比+8.7%と大きく上昇しています。現在再開発ラッシュの武蔵小杉は、今後も地価の上昇が期待されますが、この先人気の街として不動の地位を築けるかどうかが鍵となりそうです。
<名古屋圏>
名古屋圏の商業地は6年ぶりの上昇です。特に名古屋駅周辺は、2027年にリニア新幹線が開通することが大きな要因になっている様で、前年比+12%と全国最大の上昇率です。また、トヨタの関連会社が集積する西三河地域も上昇しています。これは円安の影響により輸出業を中心とした自動車産業が好調という点が、地価の上昇に好影響をもたらしていると考えます。
<大阪圏>
住宅地は6年連続下落しているものの、商業地は6年ぶりに上昇しました。要因は再開発です。3月に開業した日本一高い複合ビル「あべのハルカス」の阿倍野区は4.3%の上昇、隣接する天王区も上昇しました。一方、JR大阪駅北側‘うめきた地区’に 昨年4月に開業した「グランフロント大阪」。この周辺は前年比+8%の上昇です。大阪は話題の大規模な再開発が地価の上昇をけん引しています。

広がる地域格差
三大都市圏では過半数の地点で上昇しましたが、地方圏では下落地点が7割以上を占めます。地価の上昇は、その要因があるところに限定され、反転のきっかけがない地域は、この先景気の動向にかかわらず、自然体で上昇に向かう可能性は極めて低いのではないかと考えます。そして、上昇する地域と下落する地域の格差はますます広がっていくのではないでしょうか。
景気は回復し、東京圏では不動産取引にやや過熱感が見られ、バブルを懸念する声もありますが、地価はそう簡単には高騰しないと考えます。現在の地価水準とバブルの頃の地価水準を比較しても、バブルの頃がどれだけ異常値であったかが分かります。また、建築資材の高騰や職人不足も、地価の上昇を抑制する理由の一つにあり、これらの問題は今日明日改善するものではありません。建築コストの高騰は物件の価格に反映されます。景気は回復したとはいえ物件価格の上昇に一般消費者がついて来られるかは疑問です。これらの懸念事項を鑑みると、今後地価は急激に上昇するというよりも、オリンピックに向けてゆっくりと緩やかに上昇に向かっていくのではないでしょうか。
全国平均と東京の地価推移

東京圏の住宅地上昇率ランキング

出典:一般法人土地情報センター 都道府県別地価公示
国土交通省ホームページ H26地価公示
2014.3.18,2014.3.19日経新聞記事