なぜ人は録音よりもライブ演奏で感動するのか | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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みなさんは録音で聴く音楽とライブで聴く音楽、どちらにより心を動かされますか。違いはありますか。違いを感じますか。ちょっと興味深い記事を見つけたので、きょうはそれを紹介して、少し書いてみたいと思います。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  なぜ人は…

 

その記事はこちらです。
スイスの研究者が、MRIまで使って検証したレポートです。

 


どうでしょうか。
記事の中に出てくる論文は英語のようですが(読めん)…
記事、一部引用しますね。
 

ライブ演奏は、参加者には伝えられていない状態で、演奏者がリアルタイムで参加者の脳活動に基づいて演奏を調整するという特殊な設定で行われた。このため、ライブ演奏は音楽とリスナーの脳の間のダイナミックな結び付きを生み出し、音楽の感情的な影響を強化することを示唆した。

 

 

  やり取り

 

ライブ演奏をどんなふうに参加者に伝えたのか、
演奏者がどうやって参加者の脳活動に基づいて演奏を調整したのか、
いろいろ疑問もあるのですが…
なにしろつまり、演奏者と参加者(聴衆)のやり取りがあったということですよね。
言葉を使わないコミニュケーションがあったということ。
それが、参加者への『感情的な影響』を強化した…
たしかに、コンサートやライブは、お客さんと言葉こそ交わさないけれど、
なにかをやり取りしているのかもしれません。無意識に。そういう意味で言うと、
聴衆の心に入る演奏をするためには、聴衆を意識に入れなければならない…
そんなふうには言えるように思うのです。
カボチャだなんて思っていちゃいけないんですよね。
 

 

  ライブとは

 

さて、ライブとは、なにを指すのでしょうか。
上の実験では、演奏者と参加者(聴衆)の間でやり取りがあった。
必ずしも、同じ空間を共有していなくてもいい、ということですかね。
では、『配信』は?
これは、多くの場合は演奏者と聴衆の間にやり取りはないですよね。
たとえリアルタイムであったとしても、ライブの要件を満たしていないということか…
(尤もデジタルの現代においては厳密な意味でのリアルタイムは存在しないのですが…)
ライブの定義、みなさんはなんだと思いますか。
でもやっぱり…
 

 

  同じ空間で

 

演奏者と聴衆が、同じひとつの空間を共有して演奏を受け止めること、
これに勝るものってないと思うのです。
音が、音楽が、空間、ひとつの空気をとおして、じかに伝わってくるのです。
これはとても大きなことです。
『音』のほかにも伝わるものがたくさんある。
もちろん、演奏者の姿も見える。
映像による中継でも見えるでしょうが、画面を通して見るのとその場にいるのとでは…
そして、そればかりではなく…
ちょっとスピリチュアルですが、オーケストラからなにか『気』が立ち上るのを感じたり…
中継や録音からでは決して受けとることが出来ないものが少なくないように思うのです。
 

 

  コンサートやライブに…

 

感染症禍になったとき、コンサートが出来ない代わりに配信をする団体がたくさんありました。
でも、それでわかったように、当たり前ですが、配信はなまの演奏の代用にはならない…
生演奏、コンサートやライブへの希求は、より強まったように感じます。
みなさんもぜひ、コンサートやライブに出かけましょう。
どんな素晴らしい録音や配信でも決して感じ取れない多くのものが、そこにはあるのです。
同じ空間を共有して得られるもののインパクトは、とても大きいものだと思うのです。
でもこれは、実験で実証するのは難しいかもしれませんが…

さて、みなさんはコンサートやライブに出かけていますか。