気ままにオーケストラ! | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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一昨日4月30日『気ままにオーケストラ!』という、ちょっとユニークな公演がおこなわれました。いわゆる市民オーケストラなのですが、そのやり方がおもしろいな、と思ったので、きょは紹介してみたいと思います。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 



 

  1日限りのオーケストラ

 

気ままにオーケストラ!

このオーケストラのユニークなところ、それは…
1日限りだということ。
曲目や公演日が発表になって、ネットなどで出演者が募られる。
希望者が集まって、席が埋まる。
公演当日に、メンバーは初めて顔を会わせてリハーサルをし、本番に臨む。
中には知っている人もいるかもしれない。
誰も知っている人がいないかもしれない。
初めての人たちと、その日限りのセクションを組み、本番へ。
おもしろいと思いませんか。
ありそうで、ない形。
地元の人が多いのですが、なかには、関東や新潟などから来られた方も…
それが可能なのも、こういう形態だからですよね。
 

 

  普通の市民オーケストラは…

 

市民オーケストラや市民バンドって、普通はメンバーが固定の常設で、
定期演奏会などの公演に向けて、何日もかけて練習して、本番に臨む。
きっとそんな団体がほとんどだと思います。
時間をかけて、日数をかけて、曲の練度や完成度を上げていく。
また、音楽を深めていく。
それも、いいと思うのです。
でも、そうじゃない形も、あっていいと思うのです。
 

 

  月日をかけて練習しても…

 

何日も何ヵ月もかけて練習しても…
毎週練習があっても、必ず参加できるとはいかない人が多いのではないでしょうか。
毎週練習があっても、だからたいてい、全員はそろわない。
歯抜けな状態で練習して、ほんとうに全員がそろうのは本番間近の集中練習…
毎週集まって合奏できるのは、それ自体が楽しみなのかもしれない。でも…
もしかしたら、飽きてしまうかもしれませんよね。わからないけれど…

たった1日、たった1回きりでも、全員がそろってその日にかける、その集中力。

これもまた、ひとつの形だと思うのです。
 

 

  向上するもの

 

そして、これがたとえば学校バンドだったら、練習を重ねていくうちに技術的にも向上する。
中学生や高校生って、楽器を始めてまだそんなに経っていませんからね。

毎日のように練習があるし…
ところが社会人の方たちは、楽器を始めてもうけっこうな月日を経ておられたりする。
と、1つの演奏会に向けて何週間も練習しても、個々の技術としてはそう上がるわけでもない…
そんなことないですか?
何週間もかけるのは音楽の完成度を上げるため、ということになるのではないでしょうか。
そこに時間をかけるのも、いいとは思うのです。
でも、それとは違う形もあっていい。
 

 

  1日限りのいいところ

 

1日限りのオーケストラが成立するためには、もちろんみんながその曲を知っていて、
しかもそれが身体に入っている必要がある。
なにしろ1日限り。いわゆる『ゲネホン』でやろうというのですから。
もちろん、楽譜は前もって配られますよ。初見ではないです。
そして、1日限りのいいところ…
1日限りだからこその集中力や真剣さ、楽しさや新鮮さ、いろいろな化学反応。
これもまた、きっと楽しいと思うのですよね。
どうしてこれまであまりなかったんだろう、と思うのです。
 

 

  第5回

 

一昨日は、第4回なのだそうです。曲目は…
ウェーバーの歌劇『魔弾の射手』序曲
ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番
そして、ベートーベンの交響曲第5番ハ短調『運命』
会場は、刈谷市総合文化センター アイリス 小ホール。
とってもいい公演でしたよ。
そして、もう次回、来年の第5回が決まっているそうなのです。
モーツァルトばかりのプログラム。
クラリネット協奏曲と、交響曲第40番。モーツァルト晩年の2曲ですね。序曲は未定。
8月あたりから募集に入るそうです。
時間をかけて合わせていくのも楽しいでしょうけど、こういうのもきっと楽しいと思いますよ。

さて、気ままにオーケストラ! チェックされてみてはいかがでしょうか。