執筆という仕事 | フクロウのひとりごと

フクロウのひとりごと

愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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モノを書くことを仕事にしている人にとって、書くってどういうことなのでしょうか。

小説家、作曲家、編曲家…。楽しみでしょうか、それとも、苦しみ?

 

こんばんは。

トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 

 

 

  楽しくない!?

 

作家の万城目学さんが、こんなことを書かれていました。

引用するからには出典を示さなければなりませんね。

JAF MATE の10月号、コラム『幸せって何だろう』から、引用します。

 

執筆という作業はまったく楽しくない。もっぱら楽しげな内容の作品を書きがちなので、「著者も楽しんで書いてそう」というイメージを読者にも与えがちだが、どっこい真実はエブリタイム、私は仏頂面である。

 

感染症下で外出しない、人と会わないでひたすら家にこもって書いている、

そんな状況(とことん殺風景な一年)での感想を書かれた箇所なのですが、

失礼ながら、思わず笑ってしまったのでした。

小説家さんが、小説を書いていて、『まったく楽しくない』って…

 

 

  作編曲

 

さて、それでは、小説ではなく小節を書くこと、つまり作編曲をしていて、楽しいかと訊かれたら…

うーん、、、楽しくは、ないかな。

熱中はしているのでしょうが…(曲によります)

熱中しているか、夢遊病的になっているか(なんだいそりゃ)、それとも仏頂面か(やっぱり)、

どれかですかね。

ぶつぶつぶつぶつひとりごとを言いながら書いていることが多いようです。

いつぞやは、楽屋で(ノートパソコンで)書いていたら、

あんまりぶつぶつ言うので面白い、と言われました(爆)。

そういえばクルマを運転していても、レースの時も、ぶつぶつ言っていたりしましたね…

 

 

  あたまの中は…

 

楽譜を書いている時って、あたまを使っているのでしょうか。

使っている意識はない。だけど、あたまはすごく働いている、という感じでしょうかね。

考えて書いてはいませんが、すごく脳は働いている。

酸欠になりそうなくらいに働いています。息が荒くなったりします。内容によりますが…

なりませんか? 作編曲家のみなさん。

無意識の意識、でしょうか。

感覚派のほうが、むしろ脳はたくさん使うのかもしれません。

自分で何言ってるのかわかりませんが…(汗)

 

 

  現実と空想

 

楽しげな内容を書いているのに仏頂面だと、万城目さんは書かれています。

では、楽しい曲を書く人の心の中は楽しい? 悲しい曲を書く人の心の中は悲しい?

これはね、やっぱり全然そんなことはありません。

むしろ、逆なことのほうが多いように思います。

わかりやすい音楽を書く人が案外気難しかったり、

難解な曲を書く人が意外と単純だったり、

むしろそんなふうなのかもしれませんね。わからないけれど…

世の中が混沌としてくると、単純なわかりやすい音楽がもてはやされ、

逆に世界が平穏な時には、難解なものが流行る、

そんな話も聞いたことがあるような気がします。

 

 

  気持ちと状態

 

万城さんは、『しあわせな気持ち』と『しあわせな状態』という言い方をされています。

執筆に追われているのは、しあわせな状態。でもそれでは、

ビールを飲みながらくつろいでいる時の、しあわせな気持ち(を持てる時間)は来ない。

楽譜に追われている、音楽出来る状態は、たしかにしあわせな状態なのでしょう。

そりゃあ、あんまり気が進まないものも、時にはあるにせよ…

でも、その『しあわせな状態』に入っていくのには、

ある種のエネルギーと、少しの勇気が必要だったりもします。

これが、〆切ギリギリになる所以ですね。

いかに『しあわせな気持ち』を捨てて、『しあわせな状態』を選択するか!

 

さて、書くことを仕事にされているみなさん、どう思われますか。