音楽をやっておられるみなさん、楽譜って、どうやって作られますか。手書き? コンピューター?
きょうはコンピューターでの楽譜制作経験のない人向けに、その流れを書いてみたいと思います。
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。
フィナーレ
以前にも書いたことがありますが、コンピューターで楽譜をつくるソフトはいくつかあります。
その中で、おそらくいちばんメジャーな『フィナーレ』で楽譜をつくる流れを、きょうは書いていきます。
まず、フィナーレを立ち上げると、こんな画面。
まんなかのところを拡大すると…
セットアップ
まず、『セットアップウィザード』をクリックします。
いろいろ選択肢が出てきますが、望む編成のスコアをつくるために、とりあえず…
『新規に作成』を選んで、『出版譜風』を選択。
と、普通の印刷譜風の楽譜にしてくれます。
『次へ>』
編成を選んでいきます。
左側のリストの中から楽器を選んで『追加>』を押すと、右の枠にに追加してくれます。
それを所望の順番に並べ替えることも出来ます。
『次へ>』
拍子、調性、テンポ、弱起を設定する画面が出てきます。
それぞれを選択しますが、これらはあとで変更することも、もちろん可能です。
『完了』を押すと…
曲のタイトルやサブタイトル、作曲者、編曲者、作詞者や著作権情報を入力する画面になります。
著作権情報というのは、楽譜の下の方に書かれているコピーライトの表示のことです。
これらはここで入力してもいいのですが、もちろんあとで入力することも出来ます。
ぼくはたいていここはスルーして、あとで書くことが多いですね。
『次へ>』を押すと楽譜が開くので、音符を書いていきます。
音を書いていく
音符を入力する方法は…
上のパレットに、各種音符が並んでいます。
それを選択して、マウスで五線の上で音高を選んでクリックすると、音符が入力できます。
このやり方を『ステップ入力』といいます。
また別の入力方法としては…
上下の矢印キーで音高を選びます。
テンキーで、音符の音価を選びます。
7が全音符、6が2分音符、5が4分音符、4が8分音符、3が16分音符…
休符を入力したい場合は、音符を入れて『Back space』キーを押すと、音符が休符に変わります。
この入力方法を『高速ステップ入力』といいます。
慣れるとこの方法が速いと思います。
音高を選ぶのにMIDIキーボードをパソコンにつないで入力する方法もあります。
重音やピアノの楽譜などを書くときには、これが便利かもしれません。
臨時記号ですが、半音上げるのには『+』キー、半音下げるのには『-』キーを押します。
また、数字の『9』を押すと異名同音に変換されます。
8分音符以下の音が続くときの連桁をつないだり切ったりするのは、『/』キーで出来ます。
いろいろな記号や標語
音符を入力したら、強弱などを書いていきます。
楽譜上をクリックしたり範囲を選択して、『発想記号ツール』で強弱などを選んで入力します。
速度標語やaccel.やrit.、発想標語や演奏指示(ミュートとか)、
またリハーサルマークなども、これを使って書いていきます。
リハーサルマークは、入れたい場所をクリックすると、自動的に順番に付番してくれて便利ですよ。
そして、アーティキュレーション。
マウスで音符を選択して、『アーティキュレーションツール』でアーティキュレーションを選びます。
ある範囲を選択して、その範囲内の音符すべてに、選んだアーティキュレーションをつける、
なんていうことも出来ます。
それから、スラーや松葉は…
『変形図形ツール』で入力します。
書きたい図形を選んで、マウスを使って書いていきます。
ほんの少し、コツが要るかもしれません。
こんなふうにして、楽譜を作っていくのです。
慣れるまでは少々面倒かもしれませんが、慣れたら手書きよりもずっと速いですよ。
それでは、続きはまた明日。