すごくよく眠ったわりには2時間程度眠っただけだった。




スリリングな夢を見た。

殺人鬼を追っていた。
殺人の容疑者に興味はなかったが捕まえない訳にはいかない。犯罪心理担当で私も捜査チームに参加した。
出没しそうな酒場などを回ったが、最近ピタリと姿を見せなくなっていた。

突飛な動きで無差別殺人を繰り返すため、油断するとこちらがやられる。

出没情報があったので現場に向かうと突入隊と私服警官が待機していた。
容疑者は重厚な木の扉の向こう、バーのカウンター席にいるらしい。

扉の前にはボスもいた。

ボスは「めっきり姿を見せなくなったらそれが次の犯行予告だ」などと言ってサラリと中に入っていった。

なかなか真理をついている。
だが怪しい。

わたしは待機位置を変えた。なぜならボスがわたしの待機位置を知っているからだ。

わたしの中では、実はもうひとり容疑者がいた。

それはボスだった。
突入するにせよ、確保するにせよ扉から近い位置にいるほうが良い。

わたしの待機位置を知っているサイコパスが容疑者、あるいは共犯者であるならばこれほど危険なことはない。

遠い位置から分析している場合ではない。

予測不可能な動きをする者には

こちらも予測不可能な動きでなければならない。