北冥に魚有り、その名を鯤と為す。

鯤の大いさ、その幾千里なるを知らず。
化して鳥となり、その名を鵬と為す。
鵬の背は、その幾千里なるを知らず。
怒して飛べば、その翼は垂天の雲のごとし。
この鳥や、海めぐるとき、則ちまさに南冥にうつらんとす。
南冥なるものは、天の池なり。 

……「荘子」冒頭



逍遥遊と題される荘子の冒頭の文章である。

北冥(北の暗い海)に鯤という全長も知れぬ巨大魚がいる。これまた全貌をしらぬ鵬という巨大な鳥に化身し、海上を巡り南冥へと移動する。
南冥とは天の池である。

……

壮大である。
逍遥遊とは神の業であろう。