Sに会った。

ひさしぶりだ。


今は何をしているの?

Sは金魚を売っているという。


ちょうど良かった、

わたしは金魚が欲しかったのだ。


Sの家に金魚を買いに行く。

だだっ広いオフィスで金魚とメダカを売っていた。


種類はそんなに多くない。

いかにも高級そうな、円い形の金魚が種類ごとにいくつかの水槽に泳いでいた。


白や黒に赤などの色彩が混じっていて見るからに美しく高級そうだったが、わたしは円くない、いわゆる魚の形の赤い金魚が欲しかった。


夜店ですくう、赤一色(朱色?)のあの形


すると、Sは高級なメダカを出してきた。


しかもなんと、オフィスのデスクの抽斗から


白や黒やマーブル模様のメダカこれまた美しいには違いないが


わたしは金魚が欲しかった。


珍しくもない、あの赤一色の金魚が欲しかった。


だが珍しくもないただの金魚は無かった。

かわりに赤一色の琉金を二匹買った。


とても美しい。

あざやかな赤一色だ。


金魚の相場は知らないが、

想像したよりは高級で高いけれども、相場に比べれば半分くらいには安いのだろう(友達価格?)とは思う値段だった。


Sは、帰ったらカルキ抜きをした水槽に、袋ごと浮かべて、徐々に水質に慣らしながら移すのよと言った。


・・・




一匹だけだと水槽が広すぎる。

赤一色の個体がもう見つからなかったから、二匹にしたが、


今から思えば三匹以上、色模様が、いろいろあるのも混じっているほうが面白いかもしれない。