言葉にならないから
といって
想いがないわけじゃない

言葉は嘘をつく
言葉は不自由な道具だ

正確に伝えようとすればするほど
相手を尊重すればするほど
言葉は吃る
押し黙る

世の中には
宣伝文句のように
結論ありきの言葉に溢れている

それらに溺れて窒息しそう
もううんざりなのだ

言葉は大事なことを取りこぼす
目の荒い網の目だ

取りこぼさないように
丁寧に掬い上げる

だが丁寧に扱えば扱うほど
言葉は時を失う
発せられずに消えていく

閉じられたまま眠る本
書かれなかった恋文

死者との対話に
言葉はいらない

必要なときに押し黙ることは
もっとも説得力のある比喩だ

それは
死と永遠とあきらめの比喩である

だがそうとはいえ
必要と語らいの楽しみのためには
言葉を駆使しよう

たとえ
言葉が不完全な道具であるとしても
無いよりはましなのだ

不完全な道具を
不器用者が扱う

それを知っているのと
知らぬとでは
雲泥の差である



#言葉の添え木 『言葉』





Just because you can't put it into words doesn't mean you don't have feelings.

Words are a rough mesh, an imperfect tool.

Imperfect tools are handled by clumsy people.

I think it is important to be aware of this and use them.

言葉にできないからといって、感情がないわけではありません。

言葉は荒い網目であり、不完全な道具です。

不完全な道具を、不器用な人が扱う。

そのことを意識して使うことが大切だと思います。

・・・元の言葉はさらにとりとめがなかった・・・