日本でわずかに3か所!~玉造 | 旅するおサルのぼちぼち世界&大阪周遊記

日本でわずかに3か所!~玉造

鶴橋駅周辺で多彩なホルモンを堪能した後は、

再び環状線に乗って一駅。

次に降り立ったのは玉造(たまつくり)駅でございます。


玉造駅・・・・・

環状線の旅をやっていて3~4駅に1駅くらいの割合で訪れる

「ここになにがあるんやろ?」ってな駅。

実際に玉造駅で降りたのは実はおサルも今回が初めてなのですな。


玉造駅。さて、何があるのか?


特に行くあてがあったわけではなく、とりあえず「たまつくり」という

何とも珍しい地名が気になったので調べてみた。


するとどうやら古墳時代の頃、この辺り一帯に勾玉(まがたま)を作る人たちの集団

「玉造部(たまつくりべ)」が暮らしていたことがその由来なんだとか。


そんな古代からの由緒正しき地名を持つ玉造の起源に触れるべく、

その玉造部の人々が暮らしていた頃からこの地に鎮座するという

玉造稲荷神社に行ってみた。


ちょうど七五三のシーズンで参拝者も多かった。


すると境内の敷地内になにやら神社に似つかわしくない古代チックな建物を発見。





近づいてみると・・・




難波玉造資料館(なにわ たまつくり しりょうかん)


なんと世にも珍しい勾玉に関する資料館であることが判明!

中では勾玉の作り方とか勾玉の歴史なんかを展示しているらしく、

まさに「玉造」の土地を代表するような建物!


さっそく中に・・・



っと思いきや、金庫室を思わせる頑丈な鋼鉄製の扉の前に

一枚の張り紙が・・・




「拝観の方は事前(1週間前迄)にお申し付けください」



((((((ノ゚⊿゚)ノ オーイ!



玉造という土地で勾玉の歴史を学ぶなんて、

大阪人でもあんまし考え付かん観光ルートでなかなか興味をそそられるけれど、

きょうび、このご時世に勾玉の資料館見るのに一週間前から予約するヤツなんて

そうそうおれへんがな・・・・


ふらっと訪れた人が気軽に勾玉とこの玉造という土地について学べるような

もうちっとばかし敷居の低い資料館であってもええと思うんやけどなぁ・・・・


さらに境内をぶらついていると何かの記念碑を発見。


「玉造黒門越瓜(たまつくりくろもんしろうり) ゆかりの地」と書いてある。



江戸時代、この辺りに住んでいた高津屋吉右衛門という有力町人の畑で

代々栽培されていた越瓜(しろうり)が粕漬けにすると美味であるというので

諸国に広まったらしく、付近にある大阪城の門の一つであった玉造門が

黒塗りだったことから玉造黒門越瓜と名づけられたんだそうな。


そして今では「玉造黒門越瓜」はなにわ伝統野菜のひとつ。

その発祥の地がこの神社境内周辺の畑やったというわけですな。


これまたこの辺りの土地の歴史を感じられる興味深いスポットなんやけど、

この「記念碑」の扱いが・・・・・

こんな感じ・・・・畑の奥にあって近づくことすらできまへん汗

ちなみに上の写真はズームで。


さっきの勾玉資料館といいこの記念碑といい、

なんだかせっかく由緒正しい歴史ある土地柄やのに、

その魅力を自らの手で閉ざしている感がハンパない・・・・

うーん、何だか惜しいで、玉造。


さて、この玉造には調べていくと大阪はもとより関西全域でも

あるグループの人々にとって大変に重要な施設がある事が判明した。


話がごっつい飛ぶけれど、キリスト教の一派であるカトリックでは

聖職者の間に明確なランクが存在する。


まずは一般信者の人たちがいて、その数は全世界で推定12億人くらいだそうな。

世界のだいたい5人に1人がカトリック教徒って感じかねぇ。


で、その信者の人たちに神の教えを説く役割をするのが「司祭」とその補佐役の「助祭」。

日曜の教会でミサとかをやってる「神父さん」はだいたいこのランクなんかな。


そんな全国津々浦々にある教会は「教区」と呼ばれる一定のエリアのどれかに属している。

日本には北は札幌教区から南は那覇教区まで全部で16の教区があって、

その教区のトップに立つのが「司教」さん。


さらにその「教区」を複数まとめて管轄するのが「大司教区」でそのトップが「大司教」

となるのだそうな。

で、日本は東京・大阪・長崎の3つの大司教区に分かれるんやって。

(長崎が入っているところが歴史を感じるね)


んで、それぞれの教区にいらっしゃる司教様が座る椅子を「司教座」と呼んで、

その「司教座」がある教会の事を「司教座聖堂」って言うんやって。


(もうここまで来たら興味ない人には「なんのこっちゃ?」って話やね。

たぶん半分以上の人は読むの辞めてるやろなー。

あともうちょっとで終わりますんで。。。)


「司教座聖堂」なんて言われてもほっとんどの人がピンと来ないと思うけど、

その英語訳である「カテドラル」という言葉は聞いたことがある人も

それなりにいるのではないだろうか?


何しろ、司教様がいらっしゃる教会はだいたいが大きくて立派な建物になるんで

世界各国の「カテドラル」が観光名所になっていて、

中には世界遺産になっている場所も少なくない。


「地球の〇き方」に載ってる「~大聖堂」とかいう観光名所は

けっこうな割合でこの「カテドラル」になるとゆー訳やね。


で、何が言いたかったかというと、そう、

ここ玉造には何とそのカテドラルが存在するねんよ!


その名も「大阪玉造聖マリア大聖堂」(大阪カテドラル)


しかもここのカテドラルは司教様のさらに上の位である大司教様が座る

「大司教座」がある日本でも3つしかない大変重要な教会なんやね。


そんな重要な宗教施設が実はここ大阪は玉造にあったとは!


ちなみになぜ玉造かというと、江戸時代にこの辺に細川ガラシャという

大名の奥さんにしてキリシタンであった人が住んでいたことに関係するらしいね。


で、そんな世界各国で観光名所にもなっているカテドラル、

我が街、大阪のカテドラルはどんなかというと・・・・



どーん!



・・・・ただ今全面改装中!Σ(゚д゚;)



近くの案内板に1963年の創建当時の航空写真が残ってたんでとりあえずはそれで・・・




直線的でシンプルなつくりやね。


来年の春ごろには改装を終えてその美しい姿が再びみられるそうな・・・


中には壮麗なステンドグラスとか、大きなパイプオルガンもあるみたいなんで

改装が終わったら、また見に行ってみるかなー。


ともかくも、玉造、古代から江戸時代にキリスト教まで

なんだか最近のマイナーなイメージとは裏腹に、

大阪の土地と歴史を語る上でけっこう重要な場所でございましたわー。