前回の続きで、岡山県の古墳巡りについてです
総社市久代の久代大塚古墳を見学した時に、合わせてどうしても見たかった古墳を見てきました
正式名称がない古墳?(※)ですが、横穴式石室に赤色顔料が残る貴重墳です
久代大塚古墳のすぐ近く
※公的な調査資料を探し中
天井石を見つけましたが、奥壁側のほうがわずかに開いている程度でした
私の腕は入るので、カメラを入れて横穴式石室の中を撮影
驚きです
赤色顔料が残る横穴式石室、感動しました
こんなに色残りがいい石室は、なかなかないですよね
人間が出入りすると退色するので、このまま入れないほうがいいです今後も色が残りますように
この後、同じ総社市久代にある長砂2号墳に行きました
県内唯一という横口式石棺(石槨)があり、7世紀代の築造とされています
通称「長砂の石棺」というそうです
標高40mの丘陵西斜面にあるのですが、羨道部前面が雨で崩落しており、足元がかなり悪い状況です
カメラ故障により、ピンボケ写真ばかりなのですが、雰囲気はわかるかなと思います
ほぼ真南に開口する横口式石槨は、竜山石のくり抜き式
竜山石の横口式石槨は、石の宝殿(高砂市)以外にはなく、発注者の特別な意向があったと考えられるそうです
身の内法・長さ2.03m、幅0.86m、深さ0.57m、厚さ0.25m
羨道部は花崗岩
開口部の内縁を20㎝彫って浅い段を設け、ここに石蓋がはめ込まれていました
現在、石蓋は近くの石碑の台になっています
総社市史には、羨道部は「石棺の整美さに比べると粗雑」と書かれていました
うーん、確かに
墳丘は、一辺約9mの方墳と考えられていますが、もうわかりにくいですね
この日に見た古墳の中で、一番の驚きは真っ赤な石室でした横口式石槨も素晴らしかったし、2基とも丘陵上なので、土地開発をまぬがれてこのまま残って欲しいなぁ~と思います
(参考文献)総社市教育委員会「総社市埋蔵文化財発掘調査報告書5 長砂古墳群」1987年3月