「無菌病棟より愛をこめて」
文春文庫
加納朋子
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最近新刊が出ないなあと思っていたら、なんと白血病と闘っていたのだそうだ。
すごく好きな作家で、日常のなかにあるミステリーをほのぼのとした文調で書く天才だと思う。
千葉の友達から「おまえもちろんもう読んだよな?」ってメールをもらって、そのときこの本の存在を始めて知ったような次第で(^^;。
癌になった人は親戚にも友人にもいるけど、白血病になった人はいないので知識もあまりなく。
抗がん剤の副作用で髪が抜けるとか、激しい嘔吐があるとか、そういうイメージが先行していて病気そのもののことはこの本を読むまで知らなかった。
入院中のことを作家らしく淡々と、しかし朗らかに書いるので重苦しさは無い。
白血病の中でもとくに珍しい(リスクが高い?)タイプだったけど、幸いにも弟さんの骨髄の型がピッタリ合ったおかげで、移植手術を受けていまは退院して通常の生活をしているのだそうな。
兄弟でも型が合う確立は約25%しかなく、それがダメなら合うドナーが見つかるまで待つしか無いので、そうなるといつ現れるか分からないドナーを待ちながら死と隣り合わせの生活を続けなければならないのが現実。
闘病している「同士」にエールを送るための本でありながらも、小説のようにスーッと読めるように仕上がっているのはさすが。
次の新作に期待がもてますなこれは(^^)。