会社の後輩が「男はつらいよ」のDVD全巻セットを買った。昔から寅さんファンのこの俺が黙っている訳がない。もちろん貸してもらうことになった。 「男はつらいよ」は、もともとテレビの連続ドラマとして放送されていたところ、最終回で主人公の寅さんが沖縄でハブに噛まれて死んでしまうという大胆な設定になっていたため、視聴者から抗議の電話が殺到したらしい。それで映画として復活させたところ、人気が出て48作まで続いたという訳。ギネスブックにも掲載されているこの映画は、もちろんシリーズ物として世界でもっとも長く続いた作品だ。 多い日には、一日5本のDVDを見た。第1作から順番に見ていくと非常に分かりやすい。ストーリーはずっとつながっているので、あちこち見るよりは順番に見ていった方がいいと思う。最初の頃は、妹さくらの役である倍賞千恵子のかわいらしさが際だっており、今のアイドルとしても充分通用しそうな感じがした。 結局、全巻見るのに一ヶ月半ほどかかった。忙しくて全然見られない日もあったことを考えると、わりと早く終わったような気がする。 寅さんのいいところは、人情味にあふれ、とても繊細な感情を持っていること。誤解されて誰にも気づかれていないことの方が多いけど。そんな寅さんも、渥美清が亡くなったことで途切れてしまった。もう見られないのかと思うと寂しさもあるが、サザエさんのようにいつまでも歳をとらない訳にもいかない(声優は歳をとっているが) ので、やはりいつかは途切れてしまうのもやむを得ぬところ。 最後の方の作品は、寅さんから甥の満男の恋愛にストーリーの比重が移ったため、ファンとしてはあまり面白くない。やはり最後まで寅さんは恋愛をしていて欲しかったなあ。