私には古い友達がいる
彼は日本語はできない
私はフランス語が話せない
だから、つたない英語で話すしかない
でも本当の兄みたいな人だ
はるばる外国から来てくれて
れいなちゃんのことを聞いてくれた
「色んな人が色んなことを君に言ったんだろ」
「でもさ」
「とにかくさ 」
「彼らなりに、何て言っていいか分からなくてもさ 」
「そんな中で言葉をかけてくれたこと そのものを ありがとって思っておきなよ」
「結局さ 人って自分で体験したことしか本当には分かんないし」
「僕だって今きみに話していることが的を得てるか分かんないんだ」
「でもさ」
「とにかく君がどうしてるのか心配だったんだ」
そこまで言って彼は泣いていた
「今日は二人でいっぱい泣いちゃおう」
二人で涙いっぱいためてお寿司を食べた
お寿司屋さんの隅っこでめそめそした夜は
きっと一生忘れない
私に兄はいないけど
本当のお兄ちゃんみたいだった
ありがとう