波長 | cappaのブログ

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数週間前、ある村の湖岸までひたすら

歩き続けた時に知り合ったおじさんに、

「ぜひ、訪ねてみなさい。」と強く勧めら

れていたお家に行ってきました。


彼の奥さんのお母さんで、ユルタを作っ

ている人。なんでも、キルギスでユルタ

作り1位の座を占めたとかで。


住所ではなく、「ここらへん。」という曖昧

な情報だったので、いざ鉄戸の前に立っ

た時、半信半疑。半開きになった戸の向

こうでは、大きな大きな鉄鍋でボルソック

(キルギスでお祝い事の席に必ず出され

る、小麦粉の生地を一口大にして揚げた

もの)を、女性たちがせっせと作っていま

した。


一応、鉄戸をコンコン叩くものの、反応な

し。3度目でやっと気付いたかと思うと、

手招きして入ってくるよう言われました。


おじさんに書いてもらった、ユルタ作り名

人の名前を見せて、「ここの方ですか?」

と問いかけると、そうだと頷かれ、ほっと

ひと安心。


「日本人で、近くの街でボランティアとして

働いています。ぜひ、ユルタの写真を撮り

たく、○○さんの紹介で来ました。」と伝え

ると、すぐさま、家の中に案内されました。


ストーブがガンガン焚かれた部屋で、ミシ

ンを操る、御歳80歳は超えているであろう

女性が彼女でした。事情を話すと、快く承

諾してくれたものの、誰かが来るまで待ち

なさいと言われました。


そうこうするうちに、次々とボルソックが運

ばれ、もてなしの食卓が用意されます。

なんでも、彼女が心臓を患って、数日前ま

で病院に入院していて、その退院祝いだ

とかで。


平日の昼間なのに、次々親戚が集まり、

その中には成人男性も多く。ある意味、

自営業だから、このようなことも可能な

のです。


ちなみに、キルギスの入院期間というの

は10日と決められているらしい。これよ

り早く治る場合、その逆もあると思うけれ

ど、そういう時はどうするのだろう…。また

退院すると、ごちそうを作って、親戚が集

まってお祝いするのも、固有の習慣らしい。


ただ、写真を撮りたいだけなのに、ことの

流れから、そのお祝いに同席する展開に。

なんだか、ごちそう食べたくて来たみたい

で落ち着かず。


そんな中、彼女の姉もしくは妹と思われる

これまた、御歳80越えの女性が私の横に

座りました。私が日本人であることは、他

の誰かから聞いていて、彼女はキルギス

語だけ、私はロシア語だけしか話せないの

で、お互い、話しはしません。


でも、何かと、彼女は私を気に掛け、手の

届かない料理を取ってくれたり、みんなが

大声で「わっはは~。」と笑っている時、こ

ちらを見て、目配せしてくれたりします。


時折、口にする言葉、意味は想像に任せ

ているので、不確かですが、その声が、

私の好きな『かもめ食堂』のもたいまさこ

さんに似ていて、なんだか聞いていて心

地よく。


キルギス人は、一般的に、誰もが話好き

かつ、声が驚くほど大きいのですが、彼

女は、ちょっと違います。歳をとっている

から…ということもあると思いますが、ユ

ルタ作り名人も同い年くらいでも、典型的

キルギス人で元気にしゃべっています。


話はそれますが、宴が始まる前に、話し

ていた親戚のひとりのおじさんが、「キル

ギス語は話せないのか?」と聞いてくる

ので、「私はまず、ロシア語を勉強しなく

てはいけなくて、同時にキルギス語も学

ぶのは難しいの。」と答えました。


「確かにそうだ。」と同意をしてくれたもの

の、すかさず、「言葉を学ぶためには、

人といっぱい話さなきゃいけない。」と力

を込めて言います。これには私も納得。


”Больше общение,

больше знание.”


とにかく、大部分のキルギス人は話すの

が大好きです。だから、日本語を学んで

いる人たちの多くが、流暢に話せるのか

もしれません。


でも、何かを解決したり、達成したりする

その道のりは、ひとつだけでなく、幾通り

もあるはず。私は、私のやり方で、一歩、

一歩、進んでいこうと思います。


もちろん、キルギス人であっても、口数

少ない、彼女のような人もいるのだから。

言葉が通じなくても、波長が合うと、伝わ

るものがあるような気がします。


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立派なユルタの前で、ユルタマイスターと。

本当は、隣のおばあちゃんとも写真を撮り

たかったけれど、ひとりと撮りだすと、大勢

集まった親戚が黙っていないので断念。


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ユルタの天井にある”トゥンドゥック”と名付

けられた、採光口。青空が広がっている時

の眺めは最高です。今日は、残念ながら、

曇り空。


長くなりそうだったので、メインディッシュが

出てくる前においとましました。しかし、突然

現れた、見ず知らずの外国人を招き入れ、

こうしてもてなしてくれた彼らに、感謝のひと

言です。今日も、良い出合いに恵まれました。