残酷な物語りを思い出した。 | 屑星を箱に。

屑星を箱に。

詩を仕舞う場所。

地元に帰って。
愛する人の子どもを産んだ。

子どもは女の子で。
目が私によく似ていて。

笑い方が、愛する人によく似ていた。

地元で割と新しい駅で下車して。
祖母に連れられて駆けてくる娘を見る幸せ。

ずっと続くと思ってた。

でもね。

いつもみたいに、交差点の信号を待っていて。
道路の向こう側から、娘が駆けていく。

娘が宙に舞う。

血まみれになって、私の目の前に転がる。

発狂したよね。
訳のわからない声をあげた。

娘はもう動かなくて。
目は虚ろに開いたままで。

鮮血はアスファルトに吸い込まれて。

手の中で、命の温かさが少しずつ失われていく。

ハッと気付いたら、汗塗れ。
それで、躰が重かった。

汗と一緒に、目から零れた涙でぐちゃぐちゃになっていた。

夢だってわかって、そのときは物凄く安心したの。

…ねぇ。
今度も夢じゃないの?

あの仔、まだ目も開いてない。

世界がどんなに明るいか。
あの仔は知らずに逝ってしまう。

たすけて。

たすけて。

あの仔を連れて行かないでよ。