初恋。
従兄だったな。
家の鎖国的な思想が嫌いだったから。
その考えにあぶれていた彼が唯一、落ち着ける場所だった。
無関心で無感動。
毎日が目隠しして、耳を塞いで。
煩いくらいの「動」に疲弊していた自分に心地よかった。
小さい頃はまだ純粋で。
結婚するなら彼がいいと思っていた。
浅はかだけど、あの頃は本気だったなぁ…。
歳をとって。
考える力が付いて。
結婚を「選ばない」選択があることに気付いてからは、そんな感情もなくなってしまったけど。
…って、唐突に思った。
今も、気になっている人がいるけど。
やっぱり、直接、話しかけに行くのは怖い。
メールや手紙なら、距離が変わらないから、いくらかは積極的になれるけど。
僕がギャをしてるのは、その所為かもね。
ステージと客席には絶対的な距離がある。
境目に近付きさえしなければ触れないし、何より心が傷付かない。
自分が作った理想の偶像を崇めていればいいだけだ。
…酷い奴、僕。
醜い。
でも最近、気付いた。
僕の目には、最終的に実像でしか映らないんだって。
好きになればなっただけ、その人の深いところが感覚的に解かってくる。
バンドすら好きになるのが怖くなるのか、僕は。
