苦い思いばかりが舌の根元に蔓延っている
草葉の陰から顔をのぞかせたのは白い顔をした少年の幽霊か
「馬鹿馬鹿しい」と一笑に付して
網膜を剥がしたのは理解のあるごく一部を切り離す為さ

なんてね

とりあえず暫くは黙っていたいんだ
ヤニで黄色く爛れたママ
アルコール臭の取れない痣
記憶違いでしょう?
濃厚なフィクションに欠伸が止まらないんだって!
とりあえず早く僕から逃げてよ

バッドトリップを有効活用する為に篩にかけている神経質
明日と明後日の違いがわからない
昨日のことも覚えちゃいないし
今だってほら見事に盲目!

言葉の限りに幸福を尽くす
花に水をやるのが仕事なんだ
君の痛みなんか知らないよ
ただ花に水を
水をやりたいんだけど
どうしたって黄色く滲んで

だってだってだって!
やだやだやだって!
見るな見るな見るなってば!

草葉の陰から顔をのぞかせたのは
苦笑いを浮かべる少年像
理想的な晩御飯はお伽噺で
固くなったコッペパンが歯の隙間に挟まって
だからって記憶違いの歯車が回るわけでもなくて
飾り気のない純情は潔癖症な性欲に踏み潰されていくんだ

少年時代は刻一刻と遠ざかり
木通の花が咲く頃は
いつだって物悲しさばかりが残るわけでしょう?
そういう1年を毎日繰り返してって
いつか数えられない程密集していくってわけ

おかわり!

(10000を越す稲妻に手を伸ばす)

だからといってね
歯の奥の詰め物が取れかかった感じを言い表すには足りてない成分が多くて
困った事に一つも身につかない
年月を重ねる事に頭が悪くなってる気がして
そうじゃない、そうじゃないんだ
元々馬鹿だったことに今更気付いてるんだよ

早くて3日
持って1週間
力の限り誠心誠意
お慕い申しておりますよ、へへへっ
それくらいの記憶力しかないので
すぐ食い違ってきちゃう
やめろやめろ、美談にするのは
どうせあの頃は生きるか死ぬかだったじゃないか
お互いにね
関係性が近過ぎるんだ
フィクションに仕立てた方がいくらか

みんなみんな一過性の麻薬みたいなもんだ
下品だって言われようが
薄情だって思うよりマシなんだ
許すとか許さないとかじゃなくてさ
とりあえず苦々しい顔を引っぱたいてる
明日から頑張るを歌う今日は
グラデーションマップの上を動くやじるし
そうやってやってきた
そんなもんだよ
そんなもんだよ