
この1か月でもう10個以上の洋梨(ラ・フランス)を食べている。
みかんサイズの小さなものからグレープフルーツより大きなものまでサイズは様々。
小さくても香り高いものはある。
大きければいいというものではない。
不格好な洋梨と、筋子をほぐして作った新鮮なイクラ丼は、晩秋の大きな楽しみだ。
洋梨はもう四半世紀(25年)以上、毎年食べている。
板張りの床の冷たい実家で、奥の部屋に置かれた木箱の中の洋梨は、繊細で優雅な香りを漂わせていた。
独り占めならば洋梨丸かじり
という発表に値しないレベルの低い句を作ったのはつい先週。洋梨は秋の季語。
ぼくの彼女は果物を好まないので、ぼくは洋梨やブドウやブルーベリーなどを買ってきては悠々と独り占めする。
豪快な丸かじりは「独り占めしている」という喜びを増幅させる。
よく熟した洋梨の皮は厚くないし風味を損ねるわけではないから、丸かじりも可能だ。
皮をむくのも面倒だし、ぼくは洋梨をよく洗って新聞の上でリズム良くかじる。
出っ歯はかっこわるいけど、果肉をごっそりこそげ取ることができるので、便利なスタイルなのではないかと思う。
(そういえば最近「こそげ取る」という表現を聞かない。大事な言葉なんだけどね。「モッタイナイ」的に)
大きな前歯でがっしり果肉をとらえて味わうとき、満たされた気分を味わう。
ところが、洋梨を丸かじりした後、しばらくするとお腹がごろごろしてトイレに向かう日が続いた。
ぼくのお腹は弱くない。
タイやベトナムの屋台で食べてもお腹を壊したことはない。
北京やヤンゴンで、油が強い料理を食べて調子が悪くなったことはあるけど。
洋梨を食べるとなぜか毎回お腹の調子がわるくなるので、今日初めて3Lサイズ2個300円(昔に比べたら激安だ)の洋梨の皮を剥いて食べてみた。
そうすると、食後2時間たっても4時間たっても、全然お腹がゆるくならない。
もしかして、下痢は残留農薬の影響?
ネットを見てみると、洋梨の表皮に農薬が残留している場合もあるようだ。
表皮そのものには下痢につながる成分はないだろうし、これは悩ましい。
http://www.pref.aichi.jp/eiseiken/3f/difolatan.html
> 平成13年9月に山形県衛生研究所の調査でラ・フランス(洋ナシ)と
> リンゴから食品衛生法上検出されてはいけないダイホルタンが検出され、
> 更に平成14年4月には大阪市の市場で山形県産ラ・フランスからダイホルタンが検出
http://www.bm-sola.com/we/archives/2009/05/post_753.html
> 以下に挙げるのが、「汚い12」の果実と野菜である、農薬の残存最の順番で
> リストされて、最悪の、最高農薬量で始まっている:
>
> ①Peaches(highest pesticide load)-モモ(最高農薬残留量)
> ②Apples-りんご
> ③Sweet bell peppers-甘いピーマン
> ④Celery-セロリ
> ⑤Nectarines-ネクタリン
> ⑥Straw-berries-いちご
> ⑦Cherries-チェリー
> ⑧Kale-ケール
> ⑨Lettuce-レタス
> ⑩Grapes(imported)-ブドウ(輸入品)
> ⑪Carrots-にんじん
> ⑫Pears-洋梨
農薬が残っている可能性もあるようだ。
残念。今後は皮を剥いて食べたほうがいいのかもしれない。
丸ごと食べて、洋梨全体を楽しみたかったのに。
皮を剥くと、どうしても0.5ミリくらいは果肉を取り除いてしまう。
それは、もったいない。
0.1ミリくらいの皮以外は全部果肉なのに。
無農薬で洋梨(ラ・フランス)を作るのは難しいのだろうか。
リンゴで自然農法(無農薬かつ無肥料)を確立した青森の木村秋則さんのように、洋梨で無農薬栽培を行う人かいないのだろうか。至難の技だろうけど。
もし、誰か無農薬・無肥料で洋梨を作ってくれるなら、どんなに小さくてもいい、どんなに傷ついていてもいい。1個300円で毎年100個買うことを約束しよう。
(それも3万円か。安すぎる~)
あるいは、だれか洋梨の畑を売ってくれないだろうか。即金ではあまり払えないけど、分割で毎年何百万円かは払える。
山形には親戚もいるから、従兄弟に農作業を指示することもできる。
洋梨は、もっともっとおいしくなれる可能性がある。
世界最高峰の風味を持った果物の一つだろう。
だけど、農薬に制御された洋梨は美しくても、香りや歯ざわりにワイルドさが欠けている。
洋梨が生命力を最大限に生かしてこそ、洋梨の細胞が密度を持ち、本来の強さを見せるのではないだろうか。
高度なバランスに到達した、最高においしい洋梨を味わってみたい。
皮ごと食べたい。
志しを持っている人に、洋梨農場の運営を任せてもらえないかな。
福岡正信さんの自然農法の本は何冊か読んだ。
30年前には、裏庭を切り拓き無農薬不耕起の方法でイチゴを育て、野生的なすっぱいイチゴを収穫した。
子どもの頃から畑を耕して、薪を割って、山野草を採取してきた。
おいしい洋梨を食べたいなぁ。
求む、無農薬洋梨畑。
洋梨界の木村秋則さんを見たい。
何百万円か身を削っても、本物の果物、樹の実を味わいたい。